佰弐拾玖. 取引 ページ20
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【中也 視点】
「…というわけなのですが、如何です?」
中「如何って手前、普通なら今此処で殺されてるぞ」
「でも貴方は僕を殺さない。でしょう?」
中「…ったく、手前、腹立つくらい太宰の野郎と同じような喋り方しやがって」
目の前の男は、ただ綺麗な穏やかな笑みを浮かべている。
ちなみに今日の彼は、探偵社の遣いらしい。
「それはさておき、後は其方の御返事次第ですが、
…とは言っても、既に幹部会で決定は下されたのでしょう?」
中「へぇ、何と?」
「内容としては、そうですね…『仮に探偵社からの要請があったならばその際は協力体制を築く』といったところではありませんか?」
にこにこと人当たりの良さそうな顔を浮かべる其奴。
…だが、奴が言ったことは見事正解だ。
ならば仕方が無い。
「…さて、中原幹部。僕が申し上げたことは、正しいですか?」
中「見てたんじゃねえのかってくらいにはな」
「異能力組織としては、この状況を黙って見過ごすわけにはいかないでしょうからね。
では、とりあえず探偵社の方にお越しいただいても?」
手にしていた帽子を目深に被る其奴。
…探偵社に行けば、其処の社長とも話せるってわけか。
中「ちょっと待てよ、今すぐ行く気か?」
「ええ、…何かご都合でも?」
中「別に無いが、太宰の野郎はいないだろうな」
「そうですね……ああ、五分前にはまだ出社してませんでしたよ」
洒落た腕時計をちらりと確認し、奴はにこりと笑う。
中「…五分で探偵社から此処まで来れるか?」
「一分後に貴方を探偵社に届けることも出来ますが、試してみます?」
そう言って浮かべた不敵な笑みは、やけに綺麗だった。
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シェエラ(プロフ) - いつも楽しく、続きを楽しみに読んでます。ありがとうございます。 (2017年1月31日 20時) (レス) id: 1ac12c7cb6 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごい、面白いです!!!!続きが気になって仕方ありません!!!更新頑張ってください!! (2017年1月30日 1時) (レス) id: 6d1c031c5c (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - シェエラさん» 主くんが子どもみたいに見えるように意識しました…!笑 そう感じていただけたなら幸いです!(意味深) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - 主がかわいく思えるます。なんとなくですが、ちょこんと座ってる感じがして。エドガーさんの小説を読んでる主が本当の主の姿なのかなぁって思いました。 (2017年1月5日 8時) (レス) id: e4ad18c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - SEAN◎さん» う、美しい…?!なんと勿体ないお言葉……ありがとうございます…!エドガーさんが愛おしく思える今日この頃です…笑 更新がんばりますー! (2017年1月4日 23時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年12月28日 19時