【文スト】参 全身黒の、美しいひと。【男主】

伍拾漆. 自分に出来ること ページ8

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「…乱歩さん、とりあえず駄菓子を買ってきましたが」

乱「おおーー！さっすがAくん、僕の好み分かってるねえ」





机の上に置かれる大量の紙袋。




先ほど、乱歩さんに頼まれて僕が買ってきたものだ。

中身は全て駄菓子。





…事務員の皆は別の場所にいるし、僕は時を止めることも出来るから、多少の雑用もこなすつもりだ。






福「悪いな、A」

「構いませんよ。今は出来ることをしなくては」

与「頼もしいねえ、流石だよ」





視界の隅で、乱歩さんが嬉しそうに紙袋の中身を見ているのがわかる。






「また必要なものがあれば言ってくださいね」


乱「ありがとねーAくん」






僕は自分のパソコンを開き、カタカタとキーボードを叩く。





賢「Aさん、何してるんです？」


「…一応皆さんにも聞いててほしいんですけど、これからの僕の予定をお話します。
僕はまず、タイミングを見計らってポートマフィアに潜入します」





そう言うと、全員(といっても賢治くん以外だが)の顔が真剣なものになる。


口を開いたのは、…社長だ。







福「そこで、何をする？」

「とりあえず挨拶をしてきます。あちらの考えを探れたらと」

与「…成程、アンタにうってつけの仕事ってわけだ」

「はい、侵入までの過程を飛ばせるの思うので」





…理由は、それだけじゃない。



ただ純粋に、一度彼と話をしてみたいと、そう思ったからだ。





乱「…Aくん」

「、はい」

乱「君なら大丈夫だ」






僕を見つめる、穏やかな顔。



優しく握られた手が、とても温かかった。




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