陸拾捌. 少年Q ページ19
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敦くんと僕とを見比べながら、訝しげな目で僕を見る彼女。
尾「…その童には聞かれたくない話か?」
「ええ、まあ。彼には少々心苦しい話でしょうから」
僕は隣に座る敦くんが気を失ったのを確認して、尾崎さんの方に体を向ける。
「…その話というものなんですが」
尾「ほう」
「貴方の所の首領が、座敷牢にて幽閉していた少年を解放したそうです」
尾「…それは真か」
彼女の目が、鋭くなる。
僕はゆっくりと頷き、彼女を見つめる。
「ええ、事実です。現に昨日、敦くんが彼と会っています」
尾「成程。それでその童は…」
Qと呼ばれる少年によって、敦くんが発狂しかけたと太宰くんから聞いた。
…敦くんの身元は以前ある程度調べたから、彼の孤児院でのことも知っている。
彼がどれほど苦しみ、悩んでいるかも、考えればすぐにわかる。
「その少年が幽閉されていたのは、異能力のせいですね」
尾「そうじゃ。…知っておるのだな」
「精神操作辺りですね?しかも厄介なタイプの」
彼女が頷く。
…精神操作の異能力は、一般的に疎まれている。
しかもそれが他人を傷つけるものであれば尚更だ。
Qという少年の異能力のトリガーは、自らが傷つくことと、人形らしい。
以前に違う人間の精神操作の異能を複写したことがあるが、あれはあまり使わないようにしている。
それほど、危険であるからだ。
「そして僕は昨日、それとほぼ同じ刻に鴎外さんと話をしてきました」
尾「…よく話ができたな」
「手間はかかりましたがね。あの方は危険思考がおありのようで」
尾「…無事で帰ってきているのが不思議なくらいじゃ」
彼女が僕をまじまじと見つめ、ため息をつく。
尾「やはり貴様は、此方側の」
「…それ以上はいけませんよ」
す、とナイフをちらつかせる。
…彼女が飲み込んだ言葉はきっと、『此方側の人間だな』だろう。
僕は笑みを浮かべ、ナイフをしまった。
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春海。・:+°(プロフ) - 紫霞さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとかなりハッピーです!\(^o^)/全力で突き進みますね☆! () (2016年12月2日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - 無影灯さん» コメントありがとうございます!続編も番外編も楽しんでいただけると幸いです!! (2016年12月2日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
紫霞(プロフ) - コメ2度目失礼します! 展開が素晴らしすぎる(*゚∀゚*) もうこのまま主さんの思うがまま行っちゃってください! 少なくともここに最低じゃなく最高と思ってる人がいます(*´-`) 更新楽しみに待ってます! 長々と失礼しました… (2016年12月2日 20時) (レス) id: 313344121d (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - 番外編もめっちゃ楽しみです笑(´∀`*)ウフフな展開もシリアスゥな展開もどっちも最高です!! (2016年12月2日 17時) (レス) id: bed4eaded8 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - 中原 炉騎(Roki)さん» 安心してくださいお母さん!!(えっ) いつもコメントありがとうございます〜!早いとこ更新したくてうずうずしてます。(笑) (2016年11月27日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年11月3日 15時