検索窓
今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:176,761 hit

陸拾漆. 神出鬼没 ページ18

.


【敦 視点】









あの少年と会った翌日。



僕はうかない気分で社に来ていた。






尾「おや(わっぱ)、一人かえ」

敦「ッ、何故ここに」

尾「…(わっち)は太宰と取引をしたのじゃ」





暗い社内で、本を読んでいる彼女。


…どうやら、太宰さんとの取引のおかげでずっと此処にいるらしい。






尾「童はよいのか?太宰の傍におらんでも」

敦「…太宰さんは、政府のエージェントとの交渉に向かった」



「…へえ、その話、詳しく教えてくれる?」

敦「?!」

尾「…っ」






気がつくと、彼女の向かいには、彼女の読んでいた本を手にするAさんがいた。


ぱらぱらと頁を捲り、軽く一瞥するAさん。




その仕草は、まるで映画のワンシーンのように美しい。





「なかなか良い本をお読みですね」


敦「…Aさん、」

「敦くん、昨日は災難だったね。行けなくてごめん」






困ったように眉を下げ、僕に謝るAさん。


…どうして、彼が謝るのだろうか。






「…太宰くんが交渉をしに行ったというのは本当?」

敦「はい、今朝早くに」

「相手は異能特務課だね?」


尾「成程のう…異能特務課といえば国内最高峰の異能力組織じゃ」






彼女はAさんから本を受け取り、また静かに頁を捲り始める。






「…ところでひとつ、お伺いしたいことがあるのですが」


尾「何じゃ」

「その前に、敦くん」

敦「はい、…うっ?!」





トン、と首の後ろ辺りに刺激が与えられる。


ふわりとした浮遊感が、僕を襲う。





「少しだけ、眠っててね」





その優しい口調が、遠くで響く。


そっと頭を撫でられ、僕はゆっくりと目を閉じた。




.

陸拾捌. 少年Q→←陸拾陸. 言葉と意図



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (218 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
663人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

春海。・:+°(プロフ) - 紫霞さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとかなりハッピーです!\(^o^)/全力で突き進みますね☆! () (2016年12月2日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - 無影灯さん» コメントありがとうございます!続編も番外編も楽しんでいただけると幸いです!! (2016年12月2日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
紫霞(プロフ) - コメ2度目失礼します! 展開が素晴らしすぎる(*゚∀゚*) もうこのまま主さんの思うがまま行っちゃってください! 少なくともここに最低じゃなく最高と思ってる人がいます(*´-`) 更新楽しみに待ってます! 長々と失礼しました… (2016年12月2日 20時) (レス) id: 313344121d (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - 番外編もめっちゃ楽しみです笑(´∀`*)ウフフな展開もシリアスゥな展開もどっちも最高です!! (2016年12月2日 17時) (レス) id: bed4eaded8 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - 中原 炉騎(Roki)さん» 安心してくださいお母さん!!(えっ) いつもコメントありがとうございます〜!早いとこ更新したくてうずうずしてます。(笑) (2016年11月27日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年11月3日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。