陸拾漆. 神出鬼没 ページ18
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【敦 視点】
あの少年と会った翌日。
僕はうかない気分で社に来ていた。
尾「おや
敦「ッ、何故ここに」
尾「…
暗い社内で、本を読んでいる彼女。
…どうやら、太宰さんとの取引のおかげでずっと此処にいるらしい。
尾「童はよいのか?太宰の傍におらんでも」
敦「…太宰さんは、政府のエージェントとの交渉に向かった」
「…へえ、その話、詳しく教えてくれる?」
敦「?!」
尾「…っ」
気がつくと、彼女の向かいには、彼女の読んでいた本を手にするAさんがいた。
ぱらぱらと頁を捲り、軽く一瞥するAさん。
その仕草は、まるで映画のワンシーンのように美しい。
「なかなか良い本をお読みですね」
敦「…Aさん、」
「敦くん、昨日は災難だったね。行けなくてごめん」
困ったように眉を下げ、僕に謝るAさん。
…どうして、彼が謝るのだろうか。
「…太宰くんが交渉をしに行ったというのは本当?」
敦「はい、今朝早くに」
「相手は異能特務課だね?」
尾「成程のう…異能特務課といえば国内最高峰の異能力組織じゃ」
彼女はAさんから本を受け取り、また静かに頁を捲り始める。
「…ところでひとつ、お伺いしたいことがあるのですが」
尾「何じゃ」
「その前に、敦くん」
敦「はい、…うっ?!」
トン、と首の後ろ辺りに刺激が与えられる。
ふわりとした浮遊感が、僕を襲う。
「少しだけ、眠っててね」
その優しい口調が、遠くで響く。
そっと頭を撫でられ、僕はゆっくりと目を閉じた。
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春海。・:+°(プロフ) - 紫霞さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとかなりハッピーです!\(^o^)/全力で突き進みますね☆! () (2016年12月2日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - 無影灯さん» コメントありがとうございます!続編も番外編も楽しんでいただけると幸いです!! (2016年12月2日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
紫霞(プロフ) - コメ2度目失礼します! 展開が素晴らしすぎる(*゚∀゚*) もうこのまま主さんの思うがまま行っちゃってください! 少なくともここに最低じゃなく最高と思ってる人がいます(*´-`) 更新楽しみに待ってます! 長々と失礼しました… (2016年12月2日 20時) (レス) id: 313344121d (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - 番外編もめっちゃ楽しみです笑(´∀`*)ウフフな展開もシリアスゥな展開もどっちも最高です!! (2016年12月2日 17時) (レス) id: bed4eaded8 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - 中原 炉騎(Roki)さん» 安心してくださいお母さん!!(えっ) いつもコメントありがとうございます〜!早いとこ更新したくてうずうずしてます。(笑) (2016年11月27日 22時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年11月3日 15時