【文スト】続 全身黒の、美しいひと。【男主】

参拾肆. 有頂天コンビ ページ5

.









谷「敦くん、ちゃんと事件解決できるといいですね」


「まあ賢治くんもいるし大丈夫だろうね」







パソコンに向かっている潤くんと、優雅にティータイムを楽しむ僕。


…うわあ、優雅にとか自分で言ってて寒気した、今の。←





「ていうかあの事件すごくない？車が突然吹っ飛んだんでしょ？」


谷「市警の投げた難題ですからね」

「…すごくない？」

谷「すごいですよね」




半ば無理矢理に言わせた感がすごい。←



僕は洋書を片手にコーヒーを啜る。





谷「Aさん、今週は何を読んでいるんです？」

「今週はフランス文学。あ、よかったら貸そうか？」

谷「僕読めないんで…」

「じゃあ来週は日本語のにしようかな」





そんな会話をしていると、社の扉が開く。


…国木田くんが帰ってきたかな。





「おかえり、国木田くん」

国「ああ、Aさん。ただ今戻りました…ん？」





訝しげな目で、潤くんを見る国木田くん。





国「…おい谷崎、お前敦と一緒じゃ……」

谷「ああ、それなら賢治くんが行きましたよ」

国「なに？！Aさん、なんで行かせたんですか」

「ん？経験も大事かなと」



僕がそう言うと、国木田くんは盛大にため息をつく。




「まあまあ、一度くらい良いじゃない、ね？」

国「しかしあの二人じゃ…」


「…まあ、最強最悪といったところだろうけどさ」





これまた、さらに盛大にため息をつく。




「…国木田くん、ため息つくと幸せ逃げるよ」

国「もう逃げている気が…」

「まあまあ、そんな事言わずに」




僕は穏やかに微笑んで、またコーヒーを啜った。



.

参拾伍. 珍しい姿→←参拾参. 彼の異能

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す