【文スト】全身黒の、美しいひと。【男主】

拾漆. 信頼か、それとも ページ19

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【敦 視点】







「…へえ、太宰くんが行方不明かあ」

国「どうせまた川の中だろう」

賢「拘置所に行ったパターンかも」


乱「女とどっかに行ったと見た」







…なんか、誰も相手にしてくれないんですが。←


いや、みんなひどくない？？太宰さんが行方不明だというのに。






国「あの男の危機察知能力と生命力は悪魔の域だ」


乱「ポートマフィアごときに遅れを取るとは思えんな」


「…まあどっかでフラフラしてるだろうね」






信頼してるんだか、してないんだか。

…なんか、やっぱり皆さんは不思議な関係だ。





「…さーてと、僕は出かけてこようかなあ」

敦「え、あ、そうなんですか？」

「行きたいところがあってね。……あ、潤くん」


敦「谷崎さん！もう大丈夫なんですか？！」







振り向いた先には、元気そうな谷崎さんが。


と、同時にAさんは鞄をつかんで立ち上がる。






「よかった、元気そうだね。」

谷「はい、なんとか」





にこやかに、会話が始まる。


ここから見えるAさんの横顔は、やっぱり綺麗だ。




…と、ここで不意に、僕は彼の首元に着けられたチョーカーを発見する。

あ、ちゃんとチョーカーまで黒いんだ。←





「…じゃあ僕は行ってくるよ」

谷「どちらに？」

「新しい本を買いたくてね。本屋にでも行こうかと」


谷「なるほど、いってらっしゃいAさん」






ひらひらと手を振って部屋を出ていくAさん。


なんだかその背中が、やけに遠くに見えた。




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