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- Nathaniel side -
「何でよりによってアンタなわけ」
ナサ「指示ですので」
「当たり前だろ。希望だったら5回は殺す」
いつもとは違い、まるで女性のような髪型をしているAさん。
だがそんな彼は、不機嫌そうな顔をしている。
「で、準備は出来てんの?」
ナサ「ええ、一応」
「こっちはもう少しかかるらしいから、大好きな聖書でも読んでれば」
そう言って、彼は私を軽く睨んでから元いたところに戻ってゆく。
今夜の仕事は、パーティーに参加した上での要人の暗殺。
私はAさんとペアを組むことになっているのだが、相手は心底私の事を嫌がっているのである。
聖書をしばらく読んでいると、ふと彼から声が掛かる。
「準備、できたけど」
その声に顔を上げると。
ナサ「っ、」
…鮮やかな、赤いドレス。
鎖骨から肩にかけての美しいライン。
豪華なアクセサリーに負けない華やかな顔。
白い肌に映える、紅を引いた唇。
まるで本当の女性のように美しい彼の姿に、思わず息を呑む。
「…何?」
ナサ「いえ、予想よりかなり女性らしく見えたので」
「あっそ」
彼はその上から女性物の豪華なコートを羽織る。
懐中時計を見ると、たしかにそろそろ出かける時間だ。
ナサ「声は高くしないのですか」
「着いてからで充分だろ」
ナサ「成程」
団長が、この色のドレスを選んだのも納得がいく。
…この人に似合うのは、鮮血のような赤だ。
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春海。・:+°(プロフ) - ゆきめさん» コメントありがとうございます。完全な捏造です。遥か昔はこんなんだったら美味しいなっていうごくごく個人的な妄想ですので、不快な印象を与えてしまい申し訳ありません。現在は奥様一筋である姿を本編でそれとなく匂わせていたつもりでしたが、私の力不足です… (2017年6月8日 22時) (レス) id: 45c2ed30e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきめ - あれ、フィッツジェラルドさんって奥さんをほったらかしにして、誰かと不倫するようなゲス野郎でしたっけ? (2017年6月8日 21時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
ウェン - はじめまして!毎日楽しく拝見しております。これからも頑張ってください! (2016年12月3日 0時) (レス) id: 6e056de376 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年12月2日 22時