お遊戯−4 ページ39
「いらっしゃい、アン」
すると、異能力を発動する際に現れる文字列の光に包まれるルーシー。光が止むと、彼女の背後には何処かまがまがしさを孕む人形、アンが現れた。
「!!」
「アンは遊ぶのが大好きなの。ちょっと甘えん坊で、可愛いでしょ?」
アンの姿を見た通行人達は逃げ出し、我先にと扉を開けた。
「・・・けど。その扉から出ればこの部屋のことは全て忘れてしまうわよ、宜しくて?」
ルーシーの言葉に反応せず、巻き込まれた通行人は一人残らず出て行った。部屋に残されたのは中島、谷崎、そして白衣の男性のみ。
中島が逃げた方がいい、と座り込んだ白衣の男性に言うものの、男性はある女の子を探しているようで。もしかしたら、奥の部屋にいるかもしれないと思い、残ることにした。
ルーシー曰く、この遊びのルールは言わば鬼ごっこ。鍵のかかった部屋の扉の鍵を持ち、アンに捕まるまでにその鍵で扉を開ける事が出来れば谷崎達の勝利。しかし負ければ、一生奥の部屋に幽閉されるまで。
言うならば、天国と地獄。だろうか。
「それで?参加されるのはどなた?」
「二人同時でも良いのか?」
「勿論よくってよ!お遊戯は皆の方が楽しいもの!」
浮遊する鍵をパシッと手に取った中島と谷崎が視線を交わす。この戦いの鍵は、谷崎の細雪。
「レディー・・・・・・」
GO!
その声と同時に、中島の隣にいる谷崎の体が宙に浮いた。その体を浮かせているのは紛れも無くアン。巨大なオレンジ色の手は、片手のみでがっしりと谷崎を掴んで離さなかった。奥の扉から現れた無数の腕が谷崎を奥の扉へ引きずり込む。
谷崎を飲み込んだ扉は、そのまま無慈悲にも閉まった。
「うふふ!またお友達が増えたわ!あら、まだ欲しいの?アン」
「・・・っ!」
アンの巨体が中島に迫るが、視点は此処で玩具箱から奥の部屋に移る。
『あれ、谷崎氏・・・・・・?』
「A・・・サン?」
『いやー・・・まさか初手でモンゴメリ氏を出して来るとは。予想してたけど組合は本気で来てるっすわ。まぁその現作戦参謀殿を教育したのは拙者だけどね・・・』
「Aサン、とにかく無事でよかった、ナオミは!?」
『意識無くしてるだけ、命に別状無し。宮沢氏もね』
人形の手に捕まって動けない状態の二人。その視線は当然玩具箱で鬼ごっこ中の中島へ向かう。
『中島氏ならイケるか・・・』
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響輝@ロングスリーパー(プロフ) - か、完結…!?!?更新お願いしたいです!!!あ、勿論無理ない程度で。。。外の作品も素敵です!頑張ってください! (2022年1月14日 21時) (レス) @page44 id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 安心してください。。私もイデア氏にしか見えないです。(白目) (2021年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 夢主ちゃんがイデアくんだとしか思えない私は末期() (2021年11月23日 13時) (レス) @page14 id: a2bd06fd1d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 楽しみに待ってるので頑張ってください! (2021年10月25日 21時) (レス) @page44 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
蓮蜜 - この作品は本当に面白いです!これからも頑張って下さい! (2021年10月23日 11時) (レス) id: a6fc2eacdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kaoru | 作成日時:2021年9月22日 23時