檸檬と夜叉−8 ページ23
｢逃げんじゃないよA！！！｣
｢えっ、まっ、待って与謝野氏ぃぃぃぃ！！それ真面目に死ぬ！！異能力来る前に死ぬから！！ひゃあぁぁぁぁぁああ！！･･････っあっ･･･｣
ゴォン！！！
国木田が事務机に頭をぶつけた音である。ぶつけたというよりは、邪念を祓う為かも知れないが。
武装探偵社の治療室には、電車の一件で怪我を追ったAの悲鳴が響いていた。最早最後は断末魔だが。
Aが与謝野の過酷過ぎる治療を受けるのは久しぶりなせいか、国木田に限らず谷崎や乱歩も机に突っ伏す終い。中島に関してはもう茹蛸のようになっている。
一番最後の艶かしい声はどうにかならんのか･･･と眼鏡を割らないように頭の上に上げてサングラス状態になった国木田が呟く。
無理でしょ、A無自覚だから。
とラムネを飲みながら答えたのは乱歩。彼も平然を装ってはいるものの、頬が地味に赤い。
｢ふぅ･･･久々のAは解体しがいがあったねぇ｣
『よ、与謝野氏鬼畜過ぎ･･･視界が･･･』
｢む、どうした｣
｢社長！！｣
｢Aを
｢･･･成程｣
ふらふらとソファに倒れ込んだAは、ぐったりとして腕も脱力している。心なしか顔は赤く、酔っ払いのようである。
ばたんきゅーという効果音が似合うほどには。
梶井戦でパーカーはボロボロになり、履いていたストッキングも穴だらけ、シャツの袖にまで穴が開いた状態だったAの姿は何とも女性らしさが増したせいか、男性陣はそっちを向くに向けない。
『うぅ･･･チェ、チェーンソー、やらぁ･･･』
｢ちょっとやり過ぎちまったかねぇ。ただでさえ妾の異能力と相性が悪いってのに｣
｢相性が悪い･･･？｣
｢Aの異能力は魂の操作。すなわち人間を内部から操る異能力だ。細胞活性で傷を塞いでいたんだろうけど、激しい治療で細胞ごとざっくり切られがちなんだよね｣
｢き、危険すぎる･･･｣
『うぅ･･･』
最早呂律すら回っていない状態。与謝野がやり過ぎを反省しているのか冷やすものを持ってこようとした瞬間、ガバッとAが飛び起きた。
『そうだ、太宰氏回収しなきゃ』
｢何だ貴様は起きていきなり！！｣
『太宰氏ポートマフィアに捕まってるんだったぁぁ！！与謝野氏、予備のパーカーあります！？』
｢えっ、あ、ああ｣
『行ってきます！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
響輝＠ロングスリーパー(プロフ) - か、完結…！？！？更新お願いしたいです!!!あ、勿論無理ない程度で。。。外の作品も素敵です！頑張ってください！ (2022年1月14日 21時) (
レス) @page44 id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・｀) - 安心してください。。私もイデア氏にしか見えないです。（白目） (2021年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 夢主ちゃんがイデアくんだとしか思えない私は末期() (2021年11月23日 13時) (レス) @page14 id: a2bd06fd1d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 楽しみに待ってるので頑張ってください! (2021年10月25日 21時) (レス) @page44 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
蓮蜜 - この作品は本当に面白いです！これからも頑張って下さい！ (2021年10月23日 11時) (レス) id: a6fc2eacdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kaoru | 作成日時：2021年9月22日 23時
