お遊戯−2 ページ37
「何、Aも?」
「ここまで来たらAも連れ去られたと考えるのが妥当だ」
「用済みのマフィアも、逆らう探偵社も全て消す。か」
「谷崎、これ以上は単独で動くな。敦と組んで探せ。太宰は俺と来い、社長会議だ」
いつもの時間帯なら、乱歩は戸棚から出したお菓子を食べて、与謝野は紅茶を啜り、宮沢はニコニコとしながらそれを見つめ、太宰は川に流され、国木田は太宰にキレ散らかし、中島と谷崎はそれをまたか、という顔で見て、Aはヘッドホンを付けてパソコンに向き合うのがいつもの武装探偵社だ。
しかし、宮沢とAが不在である探偵社は、中島が入社して以来初めてと言っても良いほどピリついている。いつもなら心中の歌を歌っている太宰ですら、口を横一文字に結んで思案に耽っていた。仕事をしないのは平常運転だが。
国木田と与謝野は、Aがそう簡単に連れ去られたことに驚いていた。
体術は強いとは言えないが、異能力も強力なものである。
常に先を見てひょいひょいと避けるA。二人に留まらず中島に谷崎兄弟、太宰までもがその事実に顔を動かした。乱歩も、菓子を食べる速度がいつもに増して遅い。普段、既にポッキー一箱食べ尽くす時間が経っているが、まだ五本しか口に入れていない。
「(Aちゃん・・・・・・君は、何処にいる?まだ、何かを隠しているのかい)」
太宰の心の声は、誰にも届くことなく溜息となって消えた。
『・・・モンゴメリ氏、か。昔の仲間に捕まえられるとか本当にRPGじゃ無いんですし・・・はぁ・・・早く帰ってログボ受けとらないと行けないってのに』
遊園地のような内装をした部屋の向こう。
木製の板を挟んだ扉の先に結ばれて吊されているA。その隣には昨日から帰っていなかった宮沢の姿がある。宮沢はぐったりとし、今だ目が覚めていない。
これは、組合のある少女の異能力である。Aは、この少女を組合に招いた張本人だった。Aは内心やっべぇ、やっちまったよ拙者と荒れまくり。
少女の名前はルーシー・M・モンゴメリ。異能力名、「深淵の赤毛のアン」。対象者を、アンの部屋と呼ばれる部屋に招待する。
ちなみにアンというのは、ぬいぐるみのような風貌をした人形。
Aもそれに気絶させられ、今こうして吊されている。
『(いや縛りプレイじゃ無いんだしさぁ)』
317人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
響輝@ロングスリーパー(プロフ) - か、完結…!?!?更新お願いしたいです!!!あ、勿論無理ない程度で。。。外の作品も素敵です!頑張ってください! (2022年1月14日 21時) (レス) @page44 id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 安心してください。。私もイデア氏にしか見えないです。(白目) (2021年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 夢主ちゃんがイデアくんだとしか思えない私は末期() (2021年11月23日 13時) (レス) @page14 id: a2bd06fd1d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 楽しみに待ってるので頑張ってください! (2021年10月25日 21時) (レス) @page44 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
蓮蜜 - この作品は本当に面白いです!これからも頑張って下さい! (2021年10月23日 11時) (レス) id: a6fc2eacdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Kaoru | 作成日時:2021年9月22日 23時