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九話 ページ10

鏡花「これ、とって」

中島「ええっ?!出来るかなぁ…」

泉鏡花を軍警に引き渡せと云われた敦は、鏡花に怪しまれないよう、いろいろな所に連れて行こうと考え、まずゲームセンターへ行っていた。

中島「くっ……これ結構難しい……!」

『UFOキャッチャーは、爪の部分をタグの輪っかのに差し込むと取れやすくなるよ』

中島「…?貴方は…」
中島(入れ墨……?!!怖いなぁ…)

鏡花「……っあ、敦…この人」
中島「えっ?ってうわぁっ!」

敦は、突然後ろから抱きつかれたことに驚き、叫び声を上げた。そして反射的に振り返り後ずさる。
そこには先程までゲームセンターにいなかった黒岩が立っていた。

『やぁ敦くん!君からしたら初めましてかな?』

黒岩は微笑みながら敦に近付き、握手をしようと手を差し出す。

中島「えっ……あ、はじめまして」

敦は驚きながらもその手を取り握手をしようとする。

鏡花「…駄目」

黒岩の手が敦に触れる前に、鏡花が敦の服の裾を掴んだ。

『おやおや、誰かと思えば…裏切り者の鏡花ちゃんじゃないか!やぁ、御守りはまだ持っているかい?』

黒岩はクスクスと笑い、再び口を開いた。

鏡花「……この人の手に触れちゃ駄目。そう云う異能の持ち主らしいから」

中島「あの……貴方は?」

黒岩はニッコリと微笑む。

『私はポートマフィア幹部、黒岩Aだ。以後、お見知りおきを』

中島「ポートマフィアっ?!」

黒岩はニッコリと微笑んだまま、 驚いている敦に近づき、耳元で囁く。

『君がウチの鏡花を誑かしたんだって?』
中島「……ッ」

敦は黒岩の目を直視出来ず、顔をそむけた。

『いや〜、やり手だねぇ…君も、』

黒岩は敦から離れ、鏡花の方へ行く。
すると中島はハッとし、鏡花の腕を掴み走り出した。
鏡花は突然の事に驚きながらも大人しく敦に付いていく。

『…そんなに警戒しないでもいいのに…』

UFOキャッチャーの台に一人残された黒岩は頬を膨らませながら UFOキャッチャーをやり始めた。

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作成日時:2023年11月6日 20時

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