七話 ページ8
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『…御帰り、梶井くん』
梶井「黒岩幹部っ………も、申し訳ありません!!!」
任務に失敗し、ポートマフィアに帰ってきた梶井の元に、
狙ったかのようなタイミングで黒岩がやって来た。
『いや、大丈夫だよ』
黒岩は梶井の謝罪を柔らかい口調で受け流す。
『嗚呼……でも梶井くん、鏡花ちゃんは?』
黒岩は目を細めながら梶井を見る。
梶井は汗をポタポタと床に垂らしながら口を開く。
梶井「恐らく…探偵社と一緒に、」
『…何で?』
黒岩は梶井に一歩近づいた。
梶井は恐怖で動くことも出来ず、ただ突っ立っていた。
『僕はこういう事が起きないようにする為に、梶井くんを行かせたのだけど…』
梶井「ぁ……、」
『ねぇ』
黒岩はまた一歩梶井に近付いた。
そして顔を思いっきり近づけて耳元で囁いた。
『僕は君を買っているんだよ…?』
梶井「ッひ……」
『……ま、今回は大目に見てあげる。』
黒岩はパッと梶井から離れ、ニコッと笑った。
『……じゃあ、ゆっくり体を休めて明日からまた頑張り給えよ』
黒岩は手をヒラヒラと振りながら地下を後にした。
梶井は緊張の糸が切れたのか、膝から崩れ落ちた。
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作成日時:2023年11月6日 20時