14人目 ページ15
雨宿りをしたものの、雨は一向に止みそうになく、むしろ更に強くなっていった。
クロエが待つ屋敷までにはまだ道のりがあって、そう近くはありません。
「ヘックシ！！！」
『カルロス？だ、大丈夫？』
「おう、へーきへーき...。」
Aにハンカチを貸してもらっても、カルロスの体はさっきより冷えていました。
でも、いつまでも雨宿りをしてはいられません。
いつの間にか辺りは真っ暗になっていました。
夜が来てしまいます。
「マズイな、A。」
『ホントだね...。』
二人はそろそろ不安になってきました。
辺りは真っ暗で、人の気もなく、ただ雨だけが降ってとても不気味です。
その時でした。
誰もいないはずの路地に、ピチャン...ピチャン...と、水溜りの上を歩く音が聞こえました。
二人は路地裏にいるので音がした方向は見えません。
ピチャン....
ピチャン....
ピチャン....
Aは息を飲んだ。
その足音は自分達の方向へ向けられていたからです。
『(ね、ねぇカルロス、誰かがこっちに
きてる...！)』
「(ホントだ...誰だ、人間？)」
ピチャン。
ピチャン。
ピチャン。
ピチャン。
足音はだんだん早く、そして確実にA達の方向に向かっています。
『(ち、近づいてるよ！！)』
「(あぁ、ヤバイかもしれねえ...！！)」
ピチャン！
ピチャン！
ピチャン！
ピチャン！
ピチャン！
誰かが、何者かの足音はもうすぐ側まで来ています。
「(おい！裏から回って逃げるぞ！！！)」
『(わかった！！)』
ピチャン！ピチャン！ピチャン！ピチャン！ピチャン！ピチャン！ピチャン！ピチャン！
二人は息を殺して狭い道を走った。
足音はいつの間にかすぐ後ろから聞こえます。
二人を追いかけていました。
やがて広い道にでて、二人は後ろを振り返らない様にして走り続けました。
雨が降っていることなど、もう気にも止めずに、ただお屋敷に向かって走り続けます。
「ニンゲン！！マテエエエエェエ！！！！」
『ッ！！！』
後ろからとても恐ろしい声が聞こえます。
後ろは振り替えっていないので相手がどんな姿かわかりませんが、恐らく悪霊であるその声は、”ニンゲン”つまり、Aを追いかけていた。
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作者名：ぷらすまいなす | 作成日時：2018年9月16日 2時
