ブルースター３ (ページ23)

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壱馬「は…？…え、マジで…ていうか、何でお前等…皆知って…？」

いつもの反応からは予測もつかなかった反応が、川村くんから返って来た。
瀬口って聞いた時点で、怒り狂うのかな…なんて思っていたあたしにとっては、軽く驚いたわ。
他の皆も同じ。なんとなく、驚きの視線を川村くんに向けている。
さすがに、川村くんでも仲間外れは嫌なのかしら。

黎弥「それはね、川村壱馬くん。澤本夏輝先輩の仕業だよ」

食堂の入口から、聞いたことのある嫌な声が聞こえてきた。
それは確実に…瀬口黎弥だった。

壱馬「げ…」

もちろん川村くんは、露骨に嫌そうな顔をした。
他の皆も、なんとなく浮かない表情をしていた。

夏輝「人聞きの悪いことを言わないでください。偶然にも彼には会えず、連絡がいっていなかっただけです」

だけどその後ろから、制服を着て鞄を持ったままの澤本先輩が出てきた。
今は眼鏡はかけていないみたいだけど…表情からして、すごく不機嫌そう。
やっぱり、瀬口が原因かしら。

黎弥「おー怖…元ルームメイトに対してそりゃなくね？」

夏輝「知りません」

澤本先輩はそう瀬口にきつく言って、こちらへと来た。
そしていつもの澤本先輩とは思えないほど乱暴に鞄をテーブルの上に置き、一枚の紙を取り出した。

…いつもの、優しい澤本先輩は何処に行ったの？

夏輝「すみません…瀬口がいる時は、どうしても怒りが抑えられないもので」

樹「あ、いえ…」

先輩のすぐ傍に座っていた藤原くんが、一番にそう返した。
あたし達も、少なくとも表情で反応を示す。

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