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しばらく抱きしめていたのだが、Aがピクリとも動かない。
どうしたのかと思って顔を覗き込むと、彼女は泣き疲れたのか眠ってしまっているみたいだ。子供みたいな行動にふっと笑いが漏れ、ベッドに寝かせようとするがそのまま抱きしめ続ける。
髪からも身体からも匂う甘い香りが俺の鼻孔をくすぐり、自分が花畑の中にいるような感覚がした。
俺も眠りたくなって目を閉じるが、腕の中でモゾモゾとAが動き始めてしまう。ゆっくりと顔を上げて俺を見つめ、まだ滲んでいる涙を指先ですくうと、彼女はふにゃりと微笑んだ。
『総悟』
『……ん?』
俺の名を呼ぶ声は前みたいに不安や悲哀などこもっておらず、純粋なモノだけが詰まっている。だからそれに返事をする自分の声も柔らかくて、こんな声が出せるのかってくらいだった。
『私も総悟が好きだよ』
「大好き」と俺の首に腕を回したA。
あんなに酷い態度をとったし、最低なことも言った。男としてやってはいけないとこも彼女にしてしまった俺を、Aは好きだと言う。
信じて良いのだ。むしろこれを愛と呼ばないなら、一体俺は何を本当の愛だと思えばいいのか?
でもいつか、どうして俺を好きになってくれたのか教えてくれたら嬉しい。
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ハル(プロフ) - ゆうかさん» 過去作も読んでくださったんですか!! うわあ、とっても嬉しいです^^ これからもバンバン作品を作っていきたいと思っておりますので、また新作が出ましたらたくさん読んでいただけるととってもありがたいです! コメントと応援、どうもありがとうございました!! (2017年10月7日 13時) (レス) id: d8241361cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すっごく素敵なお話ばかりで1日で昔のものもほとんど読んでしまいました(;^ω^)これからも頑張ってください!応援してます! (2017年10月7日 11時) (レス) id: da24fb15e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます! 最後は無事にハッピーエンドです!! ちょっと拗れた青春でしたが、紫蘭さんが楽しんでいただけたのなら良かったです。新作、完成させてからの投稿となっておりますので、お時間空いたときにでも読んでくださいませ! いつも閲覧どうもです!! (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとうございます! 個人的にエロスが書きたいわけではないのですが、作品にそれっぽい表現が登場人物を表すために必要な時は薄っすら入れるようにしてます笑 高杉パパってわけじゃないけど、みてくださいな^^ コメントどうもありがとう。 (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!皆幸せになる青春を謳歌しているなんて羨ましいです…笑 二人の思いが通じて良かったです! 新作頑張って下さい! (2017年9月30日 10時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月11日 18時