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『……気になる奴がいるんだってよ』
ふっと小さな息と共に高杉はそう吐き出して、チラリと横目で俺を捉える。その片方の瞳は真実を全て知っているような色をしているのに、あえて気付いていないフリを続けた。
『俺よりも』
『自分のことよりも……』
気になる奴とは……。それは一体誰なんだ、なんて高杉に聞かなくても俺は分かっている。ただそれを認めてしまうのがどうしてか怖く、高杉はそんな俺ですら見透かしており、「誰だろうなァ」とくつくつと笑いを漏らすのだ。
そうして立ち上がった高杉はテーブルの上の伝票を手に取る。自分の分は払うと言っても「俺が誘った」の一点張りで、その大人くさい態度にムッとしてしまう。
『……大事にしろよ』
『大切なもんはちゃんと握っておかねェと、零れちまうからな』
ヒラヒラと背を向けて手を振り店から出て行く。高杉はコーヒーと煙草の苦さだけを残して俺をひとりにさせた。
しばらくその空気は俺の身に纏わり付き、まるで忘れるなというあいつからの忠告である。
右、そして左と手を開く。そうしても何も握られていない伽藍堂の俺の手の平だが、高杉が言うにはまだ辛うじて握れているらしい。
空気をつかむように握れば、不思議と心が少しだけ軽くなった。
話そう、Aに。
俺が閉じ込めていたことを伝え切れるだけ全て。
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ハル(プロフ) - ゆうかさん» 過去作も読んでくださったんですか!! うわあ、とっても嬉しいです^^ これからもバンバン作品を作っていきたいと思っておりますので、また新作が出ましたらたくさん読んでいただけるととってもありがたいです! コメントと応援、どうもありがとうございました!! (2017年10月7日 13時) (レス) id: d8241361cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すっごく素敵なお話ばかりで1日で昔のものもほとんど読んでしまいました(;^ω^)これからも頑張ってください!応援してます! (2017年10月7日 11時) (レス) id: da24fb15e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます! 最後は無事にハッピーエンドです!! ちょっと拗れた青春でしたが、紫蘭さんが楽しんでいただけたのなら良かったです。新作、完成させてからの投稿となっておりますので、お時間空いたときにでも読んでくださいませ! いつも閲覧どうもです!! (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとうございます! 個人的にエロスが書きたいわけではないのですが、作品にそれっぽい表現が登場人物を表すために必要な時は薄っすら入れるようにしてます笑 高杉パパってわけじゃないけど、みてくださいな^^ コメントどうもありがとう。 (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!皆幸せになる青春を謳歌しているなんて羨ましいです…笑 二人の思いが通じて良かったです! 新作頑張って下さい! (2017年9月30日 10時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月11日 18時