36 ページ37
休日である日曜の今、俺は当てもなくプラプラと街を歩いていた。
ショーウィンドウに映る自分を時折見たり、配っているチラシを受け取らずに通り過ぎたり……そんな、何気ない日を過ごす。
変わらない街で見つけたひとりの人物。何度か姿は見たことがあるし、話したことだってあった。
しかし二人きりで会うのは初めてで、俺の存在に気付いた向こうは自分から歩み寄って来る。俺は突っ立ったまま、その人物が近づいて来るのを待っていた。
『……よォ』
『久しぶりだなァ』
「沖田」と俺の名前を覚えてくれていたようで、自分も覚えていることを教えるために「高杉」と呼び返す。だが敬称を付けない俺に眉をひそめるも、結局は何も咎めない。
「じゃあ」とどちらも口に出さず、お互いがお互いを見つめていた。話したかった訳ではないのだが、どうしてか足が動かないのである。
高杉は何か見透かしたように不敵に笑い、「付き合えよ」と近くのオープンカフェを指差す。それに小さく頷いて、俺は高杉の後を追って店に入った。
テラス席に腰を降ろす高杉はやはり大人の雰囲気が漂っており、注文したブラックコーヒーすら自分は大人だと主張しているような感じに思えてしまう。
俺は自分の前にあるミルクティーに息を吹きかけ、まだ冷めぬそれを小さくすする。
200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル(プロフ) - ゆうかさん» 過去作も読んでくださったんですか!! うわあ、とっても嬉しいです^^ これからもバンバン作品を作っていきたいと思っておりますので、また新作が出ましたらたくさん読んでいただけるととってもありがたいです! コメントと応援、どうもありがとうございました!! (2017年10月7日 13時) (レス) id: d8241361cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すっごく素敵なお話ばかりで1日で昔のものもほとんど読んでしまいました(;^ω^)これからも頑張ってください!応援してます! (2017年10月7日 11時) (レス) id: da24fb15e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます! 最後は無事にハッピーエンドです!! ちょっと拗れた青春でしたが、紫蘭さんが楽しんでいただけたのなら良かったです。新作、完成させてからの投稿となっておりますので、お時間空いたときにでも読んでくださいませ! いつも閲覧どうもです!! (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとうございます! 個人的にエロスが書きたいわけではないのですが、作品にそれっぽい表現が登場人物を表すために必要な時は薄っすら入れるようにしてます笑 高杉パパってわけじゃないけど、みてくださいな^^ コメントどうもありがとう。 (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!皆幸せになる青春を謳歌しているなんて羨ましいです…笑 二人の思いが通じて良かったです! 新作頑張って下さい! (2017年9月30日 10時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月11日 18時