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『お前が学校来てるのは、辞めたくないから』
「そうだろ?」と聞かれてもはいそうですと頷くことが出来ずに、せめてもの抵抗で黙りを貫き通す。そんな俺をクスりと笑った坂田は、ソファの背もたれに首裏をつけて寄りかかった。
『身体は正直なくせに、そういうところは素直じゃないねェ』
バカにしたようにニヤニヤとした笑みを見せ、俺は顔を隠そうと残りのコーヒーを飲み干していく。
喉を通るそれはまだ熱くなっており、痩せ我慢しながら顔の表情を平然とさせる。
『ま……お前が何で非行に走りたがるのか分からねェけど、根っこの部分はまだ腐ってないみたいで良かったわ』
「話はこれで終わり」と両膝に手をついて先生は立ち上がって、空になった俺のコップを片付けた。まだ呆然と座っている俺を「早く帰れ」と扉を開けては追い出す。
これで終わりとは、やはりこの教師は甘ちゃんだなと思われてしまうかもしれないが、どうしてか俺はそう思えない。
『青春を謳歌するためのアドバイスならくれてやっから、いつでも声かけて来いよ』
『アンタの青春は爛れてそうなんで、結構でさァ』
『ホンット、可愛くねェガキ』
「とっとと帰ってクソして寝ろ」としかめた面を見せ、部屋の扉を閉めた。自然と笑ってしまった口元を手で隠し、下駄箱への道をダラダラと歩いて行く。
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ハル(プロフ) - ゆうかさん» 過去作も読んでくださったんですか!! うわあ、とっても嬉しいです^^ これからもバンバン作品を作っていきたいと思っておりますので、また新作が出ましたらたくさん読んでいただけるととってもありがたいです! コメントと応援、どうもありがとうございました!! (2017年10月7日 13時) (レス) id: d8241361cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すっごく素敵なお話ばかりで1日で昔のものもほとんど読んでしまいました(;^ω^)これからも頑張ってください!応援してます! (2017年10月7日 11時) (レス) id: da24fb15e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます! 最後は無事にハッピーエンドです!! ちょっと拗れた青春でしたが、紫蘭さんが楽しんでいただけたのなら良かったです。新作、完成させてからの投稿となっておりますので、お時間空いたときにでも読んでくださいませ! いつも閲覧どうもです!! (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとうございます! 個人的にエロスが書きたいわけではないのですが、作品にそれっぽい表現が登場人物を表すために必要な時は薄っすら入れるようにしてます笑 高杉パパってわけじゃないけど、みてくださいな^^ コメントどうもありがとう。 (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!皆幸せになる青春を謳歌しているなんて羨ましいです…笑 二人の思いが通じて良かったです! 新作頑張って下さい! (2017年9月30日 10時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月11日 18時