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kwkm side
映画はかなり面白かった。最近でたアメコミらしくて、伊沢さんが横でちょこちょこ豆知識を挟んできてさらに面白さが引き立ってた気がする。
そういう間の取り方というか、心地よさ。どこで身に着けてきたんだろうな、とふと思う。
きっと俺と違っていろんな人と付き合ってきたんだろう。,,,女の人とも。
俺だって簡単にオトされてしまったのだ、ほかの人だって同じだろうな。
,,,伊沢さんは、俺のことどう思ってるんだろう。もちろん俺は伊沢さんが好きだし、告白してきたのはあっちだ。
でも、伊沢さんの特別にはまだなり切れていない気がする。今日だって、今まで誰にも教えなかった店をたくさん紹介したのに、伊沢さんの特別は、俺はまだ何も知らない。
俺は、伊沢さんの何なんだろう,,,
「川上!」
「あ、はい」
「映画どうだった?」
「めちゃ面白かったです。間に挟まれる解説も含めて」
「まじ!?あれ嫌がられることもあったからなー、気に入ってくれてよかった」
ほら。やっぱり「前」がある。「前」の人間は、伊沢さんにとって通過点だ。
じゃあ、俺は?
「でさ、ちょっと空調きき過ぎて喉乾いたんだけど、川上はそんなことない?」
「確かにちょっと喉に来てます」
「久しぶりにそこでタピらん?」
「トレンド若干過ぎてません?,,,あ、そこの店で買ってきましょうか」
「やった!あ、でもちょっと並んでるな」
「俺行ってきますよ」
「さんきゅ!その間に次の行き先調べとくわ、はいこれ代金」
渡された小銭を持って店へ向かう。ちょっともやもやしつつ、同じものを二つ注文して受け取った。
「伊沢さーん、買って,,,」
「わ〜、まさか街中で会えるなんて思わなかったです!」
「あはは、今日はたまたまですよ」
「やば、めっちゃイケメン」
伊沢さんと、知らない女の声。
どうやら大学生のグループにつかまったようだった。
「イケメンだなんて、やめてくださいよ」
「え、今日は何しにきたんですか」
「あー、ちょっと買い物で」
ちょっと買い物。所詮その程度だったのだろう。
「せっかくだからうちらと一緒に行きません?」
女子大生グループ。見た目ちょっと派手だけど、若者って感じがする。
俺と同じ金髪のやつが、そのまま伊沢さんの腕をとった。
「そーだねえ、どうしようか」
「いったらいいじゃないですか」
自分でもびっくりするくらいの冷たい声が出た。
そのままタピオカを押し付けて、俺は反対方向に走った。
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颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます!!!良かったです♪いやぁqkの尊みは深さを知りませんね() (2020年6月4日 18時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - んんんんんなぁぁあ!!!尊いが溢れております、、うわぁぁ、、尊み謙信です、、 (2020年6月4日 17時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうますっっっ!!!お待たせしてしまって申し訳ないです,,,続き執筆中ですので今しばらくお待ちをΣb( `・ω・´) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - ぬうううぁぁあ!!好きです!!すごく!!続き楽しみにしてます…! (2020年6月2日 5時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - まままさん» おおあ良かった!とんでもないです、喜んで頂けて何よりですっ!!!いいですよね,,,重い話,,, (2020年5月29日 20時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯楓 | 作成日時:2020年5月18日 20時