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物語03 ページ41

一歩、また一歩と病院から離れるたびに頭から離れなくなる言葉。
宿題と称したそれは解ける様子も無く、事務所に戻ったら早速その謎を解いてみようか、なんて。
そうやってただただ青いだけの空を仰ぎながらゆっくりと息を吸い込む。


俺がこの町に来た理由は一体何だったっけ?
静に考えてみればそっと浮かぶ。


海のある街に住んでみたい。
少年ながらに抱いた夢は大人になった今、こうして実現出来ている。
けれど自分が抱いた夢は果たしてそれだけだったのだろうか。


時間が経てば経つほどに忘れてしまう夢。
覚えていないということは、きっとそれほど強く願った夢でもないのだろう。
だけど何故か思い出せない、本当に夢は一つだけだったのだろうか。


のんびりと坂道を下る。
小さな港町。
良く晴れた眩しい町。
遠くに光る憧れた海。


初めて海に行ったのはどこだっけ?
子供の時だというのは覚えているけど、一体何歳の時だったっけ?


覚えているつもりでも曖昧な記憶。
辿ればきっと思い出せるかもしれない。
それでもそれを拒むのは、今を生きているという事実が幸せだからかもしれない。


































事務所に戻って来て書類の入ったカバンを机の上に置く。
すぐに立ち上げたパソコンにパスワードを打ちこむ。
処理中の画面になったのを確認してコーヒーを淹れる。


果たしてコーヒーの味に慣れたのはいつだっけ?



『行灯と提灯の違い、分かる?』


彼の口から出た二つの言葉と違い。
それさえ分かってしまえば、彼の事を少しだけ分かるような気がして。
どうしても理解したくて、近づきたくて。
その心の中を、頭の中をどうしても理解したくて。



立ち上げたパソコンからすぐにネットを開く。
『行灯』と打ちこむと画面に表示されたのは、『彼』の方だった。
作品や受賞歴、さらにはファンが集まって話の解釈を披露しあうコミュニティ。


彼の作る物語が、新たな世界を広げていく瞬間を。
それが間接的に、伝わってきたのだった。



改めて今度は『行灯 提灯 違い』とそのままに打ち込んでみた。


検索結果の一番上のサイトを開くと、画像つきで丁寧に解説されていた。
それを簡単にまとめると、『作りは同じだが、行灯は室内で利用するもの、提灯は行灯を持ち運び出来るようにしたもの』だった。


作りは同じ。
じゃあその違いは……。

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天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» お返事が遅れてしまい、申し訳ないです...!更新が遅れていますが、もう少しして夏休みに入り次第、更新ペースを上げる予定ですので、それまでよろしくお願いします! (2018年7月26日 23時) (レス) id: 73cf59f499 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 更新ありがとうございます!続きが気になります!!! (2018年7月3日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» コメントいつもありがとうございます!更新と返信が遅れてすみません。これから少しずつ更新していきますので、最後まで応援よろしくお願いします! (2018年7月1日 21時) (レス) id: 73cf59f499 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 遅れましたが、新作ありがとうございます!天凪さんの作品とても大好きです。これからも無理せずに更新頑張ってください!! (2018年6月7日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天凪 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年1月14日 23時

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