信頼を築く3 ページ9
アイリッシュは気配を消し、ゆっくりと近付く…
理樹は振り返ることなく料理に集中していた…
そーっと背後により、アイリッシュは右手をギュッと握り思いっ切り理樹の頭目掛けて振りかぶった…!
ゴンッ!!!
ジュッ!!!
「あじゃぁぁぁぁぁ!!!!」
殴ろうとした瞬間、理樹の頭がひょいっとズレて、そこにフライパンが出てくる。
調理途中のフライパンは熱されていて、アイリッシュは火傷し悲鳴を上げた。
『何やってんのさ……』
理樹は呆れた顔をしてアイリッシュの手を取り水で冷やす。
その間にアイリッシュに殴られて拳型にへこんだフライパンを見て理樹は『おぉ…っ』と少し引きつった顔をした。
「あっちぃ…」
『馬鹿だなー』
「うるせぇ、熱したフライパンなんて出しやがって…」
『いや、そもそも君が殴ってきたから…』
「何もフライパンで庇うこたねぇだろ?」
『料理途中に殴ってくる方が悪い。包丁の方が良かった?』
「……」
『その様子じゃだいぶ回復したみたいだね?』
「お前の過保護な介抱のおかげでな?」
『ハハハ…どれくらい回復したか確かめる為に僕に殴りかかったと…?』
少し黒いオーラを出してジッとアイリッシュを見る…するとアイリッシュは少し言葉を詰まらせた後、はぁーっと深く息を吐いた…
「悪かったよ…」
『ん、許す!』
「そんな簡単に許すのかよ…」
『僕に被害は無いし、君だけ自爆してるからね!』
アイリッシュの火傷した右手を指さしてケラケラと笑った。それに自分が情けなくなり、アイリッシュはガシガシと頭を掻いた。
『さ、朝食にしよう!その後ちょっと話があるから。』
「分かった」
アイリッシュの火傷に薬を塗り、二人は朝食を食べ、落ち着いた後理樹は話を始める。
『アイリッシュ、いきなりで申し訳ないんだが…君は海外で身を隠してもらう。』
「日本を離れろと?」
『そうさ、ここは組織の目があるだろう?まぁ、海外でもあるけど…組織が壊滅すれば無事日本に帰れるし、君が壊滅の手伝いをしたいのならそれでもいい。でも、僕的にはまた違う人生を歩むのもいいんじゃないかな?と思うんだけどね?』
「違う人生って…今まで組織にいて、裏の仕事しかいたことねぇ人間が今更一人でどうしろと…」
『あぁ、仲間ならいるよ?』
「あ?」
『君と同じ境遇の仲間がいるんだ…彼らも一緒に住んで仕事しながら僕の仕事も手伝ってくれてるんだ。』
「……ってことは今回のこともか?」
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いちごちょこ(プロフ) - 九美さんお疲れ様です。更新されるたび、わくわく楽しく読ませていただいております。スランプお辛いと思いますが、無理をなさらないでください。私は九美さんの作品が大好きですので、ずっと応援しております(^^) (2019年3月14日 14時) (レス) id: 511f46d568 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - 淋さん» ありがとうございます!いよいよ奴がやってきますw!!頑張って書きますm(_ _)m (2019年3月13日 22時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - き……き……きたーーーーー!!!ジンさんだーーー!!予告だけでこんなにテンションが上がるなんて!!楽しみすぎる!!ありがとうございます!! (2019年3月13日 22時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - 淋さん» 優作さんは今回お留守番ですw……私も優作みたいな父親欲しい……でも、事ある毎に謎を出してきそうw (2019年3月12日 22時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - 有希子さんきたーーー!!有希子さん一人?!優作はどうした!?優作も一緒だと思ったのに!!ダンディボイスで囁かれたい……優作みたいな親父が欲しい…… (2019年3月12日 21時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九実 | 作成日時:2019年3月1日 19時