亡き父と今の父 ページ15
『長く付き合えなくて悪かったわね!』
二人とは反対側のソファーに座って頬を膨らませるAに修三は首を傾げた。
修「お前は飲まないのか?」
『私は……』
晃「A、せっかくだから飲もうか!サングリアまだあるから!」
(※サングリア:フルーツに漬けた甘いワイン)
『ほんと!?じゃあ飲む!!』
そうして晃一にのせられて酒を飲み始めたAなのだが……
暫くして晃一はニヤニヤしながら話し出す…
晃「なぁ修三…俺の内緒の楽しみを教えてやろうか?」
修「なんだよいきなり…」
晃「知りたくないか?」
修「そこまで言うなら聞くぞ?」
晃「Aを見てみろよ…」
晃一に言われAを見ると、頬を染めてポワーンとした顔をしていた……
修「…あいつ酒に弱いのか?」
晃「ただの弱いじゃないんだな〜」
ニヤニヤする晃一に修三は焦れったくなる。
修「だからなんだよ…」
晃「まぁ見てろって…」
晃一はグラスを台に置き、両腕を広げた。
晃「A、ほら…お兄ちゃんとこおいで?」
優しく問いかけると、ピクリと反応した後、にこ〜っと笑ってAは直ぐに晃一の膝の上に来る。
『ヒロにぃ!!』
無邪気な笑顔でギューっと彼に抱き着いてるAを見て、修三はギョッとした顔をする。
修「え!?なんかキャラ違くないか!?」
晃「酔ってる時は甘えん坊になるんだよな〜!」
この1日でAの色んな顔を見た修三は、少し混乱してるのか頭を抱える。
修「…あ?ヒロにぃって誰だ?」
景「あぁ…それは俺だ…俺の本名は「景光」だからヒロにぃなんだ…」
修「本名…?」
景「そう、俺も同じく死んだ人間だからな…晃一は偽名なんだ…だから時々こうして、誰かに本名を呼んで貰いたくなるんだ…」
修「そうか…」
『ヒロにぃ?悲しいの?』
景「ん?大丈夫さ…Aが助けてくれなきゃ、もっと悲しかったからな…」
景光はAをしっかりと抱きしめる…
景「まぁ、呼んで貰いたいのもあるけど…何よりこの時のAが可愛いんだよなぁ〜」
ニヤニヤしながら景光はAの頭を優しく撫でた。
『う?A可愛い?』
景「うん、可愛い!」
『えへへ〜Aヒロにぃ大好き!』
景「俺も大好きだよーー!!!」
そんなやり取りを苦笑いして見てた修三。
すると景光は修三を指さした。
景「ほらA…修三だぞ?」
修「げ…俺にも振るのかよ…」
するとAは修三をジッと見つめて首を傾げた。
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いちごちょこ(プロフ) - 九美さんお疲れ様です。更新されるたび、わくわく楽しく読ませていただいております。スランプお辛いと思いますが、無理をなさらないでください。私は九美さんの作品が大好きですので、ずっと応援しております(^^) (2019年3月14日 14時) (レス) id: 511f46d568 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - 淋さん» ありがとうございます!いよいよ奴がやってきますw!!頑張って書きますm(_ _)m (2019年3月13日 22時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - き……き……きたーーーーー!!!ジンさんだーーー!!予告だけでこんなにテンションが上がるなんて!!楽しみすぎる!!ありがとうございます!! (2019年3月13日 22時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - 淋さん» 優作さんは今回お留守番ですw……私も優作みたいな父親欲しい……でも、事ある毎に謎を出してきそうw (2019年3月12日 22時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - 有希子さんきたーーー!!有希子さん一人?!優作はどうした!?優作も一緒だと思ったのに!!ダンディボイスで囁かれたい……優作みたいな親父が欲しい…… (2019年3月12日 21時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九実 | 作成日時:2019年3月1日 19時