「好奇心」は自分の首を絞める〜Part7〜

小さな約束4 ページ44

Aは恥ずかしくなり新一の後ろに隠れ、ギューッと抱き着く。


「わっ！なんだよ！」

『ううう…』

「あらあら…これじゃあ昔と逆ね？」

「そうだな、昔は新一の方がよくAちゃんの後ろに引っ付いていたもんだ。」

「え！？何だそれ！！」

『あはー…新一は覚えてないか…昔は「Aおねえちゃん」ってよく後ろから付いてきたのよ？』

「んなの覚えてねぇ！！」

『あの頃の新ちゃんは可愛かった…』

「だからその呼び方やめろよ！！」


真っ赤な顔で慌て出す新一に皆はクスクスと笑った。


次の日には有希子に連れられパーティー用のドレスを選びに行く。


「んー…やっぱり若いからピンクかなー？でも、この水色も黄緑も可愛いのよねー！」

『んー…あ、これは…？』

「あらぁ！シンプルもいいわね…けど、若いからちょっと肌出してもいいかしら？」

『え…あの…』

「取り敢えず試着しましょ！」


ほぼ強引に試着室へ押し込められ色々着ていく。
ドレスが決まったら今度はアクセサリーを選んだ。


結局夜までかかり、やっと帰宅した二人…


『た、ただいま…』

「お、お帰りA姉さん」

『疲れた…』

「ハハハ…お疲れ様…」


楽しそうな有希子に比べ疲れた顔をしたAに何があったかだいたい分かる新一は苦笑いした。


「男はスーツでいいから楽だな…」

『ほんとにね…パーティー行くのも準備が大変だわ…』

「まぁ…今日はゆっくり休みなよ…」

『そうする〜』





数日経ち、いよいよパーティー当日…
夕方頃に支度をし、玄関には先に優作と新一が待っていた。


「母さーん！A姉さーん！準備出来たかー？」

「はーーーい！」


パタパタと真っ赤なドレスを着た有希子がやってくる。


「お待たせ！ちょっと頑張って着飾ってみたのよー？」


有希子は「ほらほら」と促す…すると後ろから恥ずかしそうにAが出てきた。


「ほぉー？これはまた一段と綺麗になったじゃないか。」

『あ、ありがとうございます…』


ピンクで膝上丈のオフショルダードレス。
髪も丁寧に巻き、白いカチューシャをアクセントにした。
首元には小さなパールのネックレスを付け、お化粧も薄めだが、ピンクを基調としたものだった。


「どうした？新一…顔が赤いぞ？」

「なっ！バーロー！なってねぇよ！！」

「あら新ちゃん、惚れちゃったぁ〜？」

「違ぇよ！！好きになるか！！」


新一がそう叫ぶと、Aは一瞬…ほんの一瞬だけ悲しそうな顔をした…

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