「好奇心」は自分の首を絞める〜Part7〜

バレンタインデー 安室透5 ページ11

『安室さんそれは？』

「せっかくのバレンタインですからね！チョコフォンデュしようと思いまして…」


目の前にコトリと置かれたのはチョコとフルーツやマシュマロが乗ったお皿。
そして飲み物にコーヒーと紅茶を持ってきた。


『うわぁ〜！』

「あなたなら喜ぶと思って…」

『嬉しいです！早速食べましょ！』


ニコニコ笑ってフォークを手に取るAに安室は微笑んだ。


『最初は…イチゴかな？』


フォークにイチゴを刺そうとすると彼がその手を取った。
『え？』と首を傾げるAに彼がフォークでイチゴを取り、チョコをたっぷりと付けてAの口元に持っていく。


「バレンタインですからね…自分で食べるのはつまらないじゃないですか？」

『え…えぇ…』


戸惑っていると、彼の顔が近づき、親指で唇をなぞる…


「ほら…口を開けろ…」

『ふr…んっ』


つい降谷の名を呼びそうになるが、その瞬間口にイチゴが押し込まれた。


『んむ…美味しいです…』

「それは良かった…じゃあ次俺な？」


完全に素に戻った彼にAはドキッとしてしまう。


「キウイがいいな…キウイくれないか？」

『は、はい…』


至近距離で言われ、言われるままにお皿のキウイをフォークで取ってチョコに浸ける。
それをそーっと彼の口元に持っていけば、パクッと食べてくれた。
唇の端に垂れたチョコは指で拭ってペロリと舐める…
そんな仕草が官能的でポーっと見つめてしまう…


「ｸｽｯ…どうしたんだ？ほら…次はAの番だ…何が食べたい？」

『えっと…マシュマロ…』

「分かった」


そうして交互に色んな果物を食べていく…
味なんて分かったもんじゃない…


『つ、次ビスケット…』

「…」


彼はビスケットを指で取りチョコに浸ける。
たっぷり浸けたチョコは彼の指にもかかる…


「ほら…口開けろ…」

『あーん…』


サクッとビスケットを食べるが、安室の指にはまだチョコがついている…
すると彼はAの顎を持ち、少し上げ、反射的に開いた口にその指を突っ込んだ。


『んんっ！？』

「ダメじゃないか…ちゃんとキレイに食べてくれないと…な？」

『んっ！んっ！』

「舌で…舐めるように丁寧に…ほら…できるよな？」


ニヤリと妖しく笑う彼の瞳に逆らうことが出来ず、涙目になりながらその指を舐めていく…
顎を持たれている為逃げることもできない…

チョコの味がしなくなった頃、やっと指が抜かれた。


「ん…ちゃんとキレイにできたな？」

『あ…』

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