083 雨 ページ39
アスナは、激しい雨の音で目が覚めた
布団から出て、寝巻きのまま縁側に出る
アスナ「雨、やまなかったわね……」
屋根から絶え間なく落ちてくる水滴と、濡れて元気のなさそうな藤の花を眺めてから、そう呟いた
その場に立ち、ぼうっと昨日の三日月の言葉を思い出す
アスナ「嫌な予感、か……」
加州「あ、主。起きてたんだね」
その時、今日の近侍の加州が歩いてきた
アスナ「ええ。清光、おはよう」
加州「おはよう。着替えもせずに、何してたの？」
アスナ「少し中庭を眺めてたの」
加州「雨なのに？」
アスナ「雨だからよ。Aちゃんが帰ってくる前にやんで欲しいなって」
そういうアスナの表情は、昨日と同じく曇っていた
それを見た加州は、1度瞬きをしてから、アスナに話しかけた
加州「ま、雨はいつかやむから良いでしょ
それよりも、早く着替えないと。あと少しで朝餉の時間だよ」
アスナ「え、本当！？ いっけない、寝過ぎちゃったわ！」
急にバタバタと支度を始めるアスナを見て苦笑した加州は、アスナの支度が終わるまで黒く淀んだ空を見ていた
朝餉を終え、午前の仕事に取り組んでいる時のこと
アスナ「うーん……」
アスナは、何かに首を傾げていた
加州「主、どうしたの？」
アスナ「少し、違和感があってね………」
加州「違和感？ どんな？」
アスナ「上手く言葉に出来ないんだけど、なんだか、異物が入っちゃったみたいな……そういう違和感」
アスナは胸の辺りに手を当てて話した
加州「……それ、本当に体の中に異物入ってたらやばいよ」
本気で心配している加州の言葉に対し、アスナはフルフルと首を横に振った
アスナ「ううん、そういうんじゃないの。霊力の心臓が変な感じなの」
加州「霊力の心臓？」
加州がおうむ返しに問いかける
アスナ「いつも、刀剣を顕現させたり、出陣させたりして霊力を使うと、決まって胸の真ん中が熱くなるの
私は、そこに霊力の心臓があって、霊力を使うから熱くなるんだって思って、そう呼んでるのよ」
加州「へぇ、霊力の心臓……
って、そこに違和感があるなら、
アスナ「そうなのかな……」
燭台切「加州くん、主さん、お茶を持ってきたよ
……何してるの？」
アスナ「あ、光忠くん。実はね……」
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白(あきら)(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月13日 23時) (
レス) id: 46e374d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつもいつも楽しみにさせて頂いております！これからも更新頑張ってください！ (2019年10月13日 10時) (レス) id: c5721a90b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白（あきら） | 作成日時：2019年10月13日 2時
