066 桐という審神者 ページ22
半球型に張り巡らさせていた結界が音もなく消滅していく様を最後まで見届けることもなく、アスナ達7人は桐と雄が潜んでいるという情報がある本丸へ侵入した
多方面から襲ってくる敵の刀剣男士たちを気絶させながら青薔薇の剣を探す
アスナ「Aちゃん……!!」
彼女たちが裏山へ通じる、幅の広い道まで来た
白山「! あるじさま、あれは……」
その声で6人が白山の視線の先を見る
そこには、
桐『他人の本丸に無断で入って来るなんて、審神者代表のお方がしていいのかな』
先刻7人が通った扉はもう通らせないといった様子で立っている桐がいた
右手は抜き身の刀が握られている
アスナも細剣を抜き、構えながら準備しておいた言葉を発する
アスナ「桐さん、ここであなたを無力化して、時の政府に送り渡します」
桐『どうして? 俺は一切悪いことはしていないよ。しているのは雄の方だ』
今剣「ゆうさんだってつれていきます!」
桐が今剣を見て、目を細めた
それにアスナが気づいて、少し足に力を込める
桐『……すまない、君の今剣を見ていたら、最近雄が堕とした今剣を思い出してね』
その一言で、全員が息を呑む
三日月「やはり、この本丸で闇堕ちした刀剣男士を造っていたのだな」
桐『ああ。どうせ君たちはここで殺されるから教えてあげるよ
ここでは、雄が刀剣男士を堕として、その先の事――堕とした男士のメンタルカウンセリングや、洗脳も俺がやっているんだよ』
今剣「ほかのほんまるのぼくが……」
今剣の小さな肩が、何かの感情によって震える
夜空「落ち着け、今剣。今ここで冷静さを失ってもお前が堕とされるぞ」
今剣と夜空との会話を聞いていた桐は、一瞬悔しそうに顔を歪ませて、アスナに向き直った
桐『まあそんなことはどうでも良いんだ。それに、そろそろ君たちが探してる子も来ると思うからね
それじゃあ、Aに別れの言葉を言ってから逝くと良いよ』
桐は7人に背を向けて通路の奥の闇へと消えていった
そして、それと入れ替わるように、水色の鎧に青のマントを付けた青薔薇の剣が現れた
彼女の瞳は、街で見た時よりも濁っているように思える
白山「Aっ……」
「……即刻、この本丸から出ていきなさい」
金木犀「俺はお前に言ったはずだ。お前が正気になるんなら、俺はお前に嫌われても良いってな
全員、それくらいの覚悟はしてきてるんだよ」
「……では、その覚悟を剣で確かめます」
鞘から抜かれた彼女の剣が水色の線を引いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白(あきら)(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月13日 23時) (
レス) id: 46e374d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつもいつも楽しみにさせて頂いております！これからも更新頑張ってください！ (2019年10月13日 10時) (レス) id: c5721a90b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白（あきら） | 作成日時：2019年10月13日 2時
