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そこから先の進み方は、わたしにはわからない。例えばわたしがアイドルじゃなかったならこの話はもっと華やかになったかもしれないけれど、残念だけど、わたしはこの道以外の生き方を知らないから。最近ドラマで見ていた物語の方が、わたしにとっては非日常だった。
『分からないから、なんて言ったらいいのかも分からなくて』
「でも確かに、Aが恋をする想像つかないね」
『好きだと言ってくれるのに、その気持ちを傷付けられないから』
全部覚えている。付き合ってと言われた子の耳が真っ赤だったことも、手が震えていたことも、この前、オッパがわたしに向けた真っ直ぐな目も。決してふざけてる訳じゃない、すごく真剣だったから、尚更分からなくなってしまった。
「でもさ、全部諦める必要なんてないでしょ」
『…急にどうしたの』
「Aはこれから、誰にも恋をせずに生きて行くの？」
『そ、れは分からないけど』
「僕はAを好きだし、Aは僕のこと好きで、これは恋じゃないけど、誰かを愛しく思うのは、同じことだよ」
タクシーを待つ間、深く被った帽子から顔を上げる。隣にジョンウがいて、急にこっちを向くからパチリと目が合った。なあにと言われて首を振れば肩に腕が乗る。
「なんか安心する」
『安心？』
「Aが人間ぽくて、安心する」
『…元から人間なんだけど？』
「うん、よく寝るし、チョコいつもポケットに入ってるし、負けず嫌いだし。ゲームは下手だけど」
『ジョンウの方が負けず嫌いでしょう』
「それはそうだけど、Aがちゃんと、ヒョンのことを考えてくれてて良かったってこと」
やっぱりもうちょっとだけ歩こうよと手を引っ張られて、人がまばらになった道を歩く。どこからか良い匂いがして、コンビニでおにぎりを買った。ドラマみたいだ。こっそりと憧れていた、アイドルのわたしじゃない世界みたいだ。
「Aはずっと、僕の隣にいてくれるんでしょ？」
『そうだよ』
「僕のこと好き？」
『好きだよ、当たり前でしょう』
「ヒョンのことは？」
『好きだよ、同じくらい』
「そっか、安心したらもっとお腹空いた」
『やっぱりラーメンも食べる？』
「流石A、僕の親友」
明日も撮影で、夕方からは練習で、こんな時間に散歩していたのがバレたらお兄さんたちに怒られそうだけど、わたしたちには、こんな夜が必要だ。
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yom(プロフ) - まやにゃむさん» ペーパームーンからずっと読んで頂きありがとうございます！🥲💖これから話が進むので楽しみにしていてください🫶🏻 (2022年7月12日 22時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
まやにゃむ - ペーパームーンからファンで読んでます！推しのジェと主人公ちゃんのこの後とってもたのしみです💖応援してます💖 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 5e67e2a30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2022年6月22日 18時
