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○
『Aって最近、ミルクティーが好きなんだって』
「…うん？」
『でさ、あのカフェ…Aが好きなところ』
「マフィンのところ？」
『そうそう！そこのが美味しいらしいよ』
「…ヒョンはどうしてそれを俺に教えてくれたの？」
『あの子は、思ってるより単純ってことだよ』
自分に厳しいくせに他人にやけに優しくて、そのくせ褒められたらどんな顔をしたら良いのか分からない。小さな頃からいちばん近くでAのことを見てきたけれど、嫌なことばかりを溜め込んで、いつもにこりと笑おうとする。僕らに出会うまで、僕らと出会ってからも、昔のAはいつもそうだった。
僕がAの側にいて、まるで親みたいに世話を焼いたのは、Aが何も気にせずに笑う顔が好きだからだ。何故か僕とドヨンに気を許してくれて、くるくると後ろを着いて来て、手を差し出せば握ってくれる。ここにいてくれて良かったなんて言ったら、Aに変な顔をされるのかな。
『特別にAの機嫌を直す方法を教えてあげてるの』
「それってヒョンがやるから効くんじゃなくて？」
『あの子は昔から難しく考えるんだよ、もっと柔らかく生きないと』
「…ミルクティーと、何が良いかな」
『いちばんシンプルなマフィン、それを2つだよ』
「2つ？」
『美味しいものは皆で食べる、Aの口癖』
僕がそう言えばジェヒョンは電話の奥で笑って、ありがとうと言われて電話が切れる。画面が戻ったのを確認してから、画面をスライドさせる。
「…オッパ？どうしたの？」
『ああ、うん、元気？』
「元気だけど…オッパは？」
『僕も元気だよ、Aよりもね』
「な、わたしの方が若いんだけど」
『え〜Aはすぐ躓くじゃん』
「えっ、なんでそれ知ってるの？」
『なに、今日転んだの？』
「知らないのに分かったの？オッパすごいね」
『僕のこと誰だと思ってるの？』
「わたしの大事なお兄さん」
頬が緩む。この子に大事だと言われただけで。やっぱりまだ、誰のものにもなって欲しくないかも。僕の可愛くて愛しくて、大切な子でいてよ、あと少しだけは。
『よし、おやすみ』
「今電話始まったのにもう寝ちゃうの？」
『Aももう寝な、寝る時間だよ』
「まだ22時だよ」
『ダメダメ、子供はもう寝て』
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yom(プロフ) - まやにゃむさん» ペーパームーンからずっと読んで頂きありがとうございます！🥲💖これから話が進むので楽しみにしていてください🫶🏻 (2022年7月12日 22時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
まやにゃむ - ペーパームーンからファンで読んでます！推しのジェと主人公ちゃんのこの後とってもたのしみです💖応援してます💖 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 5e67e2a30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2022年6月22日 18時
