【銀魂】夢は、青い薔薇のようだ

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『戻ってみるか？ 一ノ瀬に』




一ノ瀬とは私の旧姓である。晋助さんはきっと実家に帰ってみるか、と提案しているのだ。

そこには一ノ瀬屋という父が築いた呉服屋があるも、今は既に叔父の所有物となっている。




『でも……』

『彼処はお前の家だろう？ 帰ったところで何の罪もねェ』

『それは、そうなんですが……』




しかし、現在どうなっているのか気になっているのは事実。こっそりと草葉の陰から覗くくらいなら大丈夫なのではないだろうか。

行きたいと、彼に零せば頷いてくれた。



父が作り上げた特色を護ってくれているのか。気になることがあり過ぎて不安になるも、晋助さんも一緒に付いて着てくれるらしい。

それなら安心できるし、彼と二人でお出かけだ……なんて、胸が舞い上がってしまう。




『では、ちょっとだけ』




叔父には会う気が起きないため、チラッと見て店がどうなっているのか確認してから帰ればいい。

少しだけ父との思い出も持ち帰り、また此処に戻って来よう。




……ねえ晋助さん。私の家の近くに美味しいって有名な甘味屋さんがあるんです。

そこは友達と来ている女の子がたくさんいて怖くて入れなかったから……私と一緒に食べに行ってくれませんか？



なんて、きっと貴方は甘い物なんて好きじゃないと思うけど……少しだけワガママを聞いてください。

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