【銀魂】夢は、青い薔薇のようだ

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これは悲しみなのか、悔し涙なのか。……きっと両方だろう。それと同時に怒りも込み上げてきた。


なんで、どうして……そんな自分が世界で一番不幸みたいな台詞を吐きたくなってしまう。





『汚い……』
『汚いですね、とても』




晋助さんの胸に埋めていた顔を上げ、周りを見回す。そこには何にも知らないで笑っている人ばかりだった。

そんな彼らの着ている召し物は、どうしてこんなにも汚いのだろう。汚れた手で機を織ってはいけないなんて初歩中の初歩だ。素人でも分かる。




『汚いものは、どうしたら綺麗になるんですか？』




どうすれば良いのか知らない私は、彼に問うた。晋助さんは驚くような顔は見せず、私の後頭部に手を回して耳元に口を寄せる。


そうして、地を這うような声で囁いたのだ。




『一度汚れたもんは二度と綺麗にゃならねェよ』



『だから消すしかあるめェ』
『……存在ごと、全てな』




腐った蜜柑のような例えに、そうなのかと納得した私は自分の手の平を眺めた。汚れたものを掃除するなら、自分の手だって汚れるだろう。

そのくらいの覚悟がなきゃ、何も出来やしない。



しかし、晋助さんはまた囁くように私に語りかけてくる。





『A。お前は綺麗なままでいろよ』
『お前の手は、機を織るんだろ？』


『なら……汚れちゃいけねェなァ』

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