GOT7? ...I GOT7!

気付かないフリ ページ36

Jr. SIDE





僕だけに... 笑って欲しい。

その少し拗ねた顔も、僕だけに見せて欲しい。

ねぇ、ヌナ。

僕の心臓の音までは聞こえないでしょ?

僕、今心臓が震えてるのに。

ヌナは気付く筈もないんでしょ?








虚しくなって振り返れば

僕のベッドでぬいぐるみを抱きながら

瞳を瞑るヌナ。









そんなんだから... キスなんかされるんだよ。









僕以外の男に。







ヌナは狡いね。








ほら、僕ばっかり辛いじゃん。









ぬいぐるみを奪って、ヌナを押し倒しても

僕はヌナの唇一つ奪えなくて。









ねぇ ヌナ...

なんで僕じゃないの?

なんで僕じゃダメなの?









もういっそ、さっさとくっついてくれよ。

そしたら僕の胸に出来たこの傷も

きっと跡形もなく消えてなくなってくれる筈だから。









なんで、僕ばっかり痛いんだろう。

なんで、僕ばっかり辛いんだろう。









おかしいね、ヌナ。

どうして僕... 一人で泣いてるんだろう。








________








君が狡いと言って、僕を部屋から押し出して

僕はそのままリビングのソファーに座った。

部屋に戻る気にもならなかった。

暫くすると部屋からジニョンが出てきた。









「...何処か...行くの?」









さっきとは違う服を着たジニョン。









Jr.「...夕飯までには帰るから。」
　








そう言って出掛けた。









ジニョンが不機嫌な理由が、多分僕だって分かってる。

でもどうして僕なのかは分からない。

いや... 本当は気付いてる筈。

ずっと最初から気付いてて

気付かないフリを僕はしてる筈。

でも、これは僕達の為。

...ホントに僕達の為?









分からなくなって窓から空を見渡してみたけど

何処にも答えなんて落っこちてなくて

またTVの中に視線を戻した。









玄関の開く音。

やっと、誰か帰って来たかな。

僕... 寂しかったのに。









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