検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:20,785 hit

Black monster ページ2

おまえとの出逢いは、三年前。




おまえはこの屋敷のお嬢様で

そして俺達はおまえに遣える、執事だった。




金だけは腐る程ある

腐れ切った大人達に育てられた、おまえ。

でも、あの頃のおまえには笑顔もあったよな。

あいつらがおまえを... こんな怪物にしたの?






あの日起きた出来事が、全てを変えた。

おまえと俺達の世界を、全て変えてしまった。






白だったおまえが、黒に染まり

汚れた訳じゃなかったのに、おまえは赦せなかった。

弱い自分も、汚い大人達も、こんな世界も...

自分を取り巻く全てが、おまえは赦せなかったんだ。








助けたかった。

でも誰も、俺達の話を聞いてくれなかった。

そして俺達は

おまえから引き離され、この部屋に閉じ込められた。

おまえも一生誰の瞳にも触れぬよう、この屋敷に。









あの日だけだったな。

おまえが死ぬ程泣いたのは。

あの日から、おまえは笑わなくなった。

そして俺達の声も、聞こえなくなった。







全てが変わってしまった。

黒い服しか着なくなったおまえは

どんな思いで、俺達を傷付けてる?

どんな思いで... 自分自身をそんなに傷付けてる?







涙さえ枯れ果てたおまえの瞳に、もう色はない。






心さえ失ったおまえは

こうすることでしか、自分を守れない。









だから、俺達は耐えられる。

どんなに痛くても、どんなに辛くても

この痛みが、おまえの痛みだから。

俺達が身代わりになって、おまえの涙を流すんだ。







此処に来るおまえは、いつも今にも泣きそうな顔で。

そんなに辛いなら、どうして我慢なんてする?






泣きたいなら、泣いて。俺達の前で。

叫びたいなら、叫べ。大きな声で。

助けて欲しいなら、呼んで。俺達を。






俺達は、執事だ。おまえだけの人形だ。

おまえが望むなら、何だってするよ。






だから、そんな瞳をするな。

泣きそうなおまえを抱き締める事さえ出来ない俺が

...辛いじゃないか。







初めておまえを見た時から俺は...

おまえにご主人様以上の感情を抱いていた。

...解ってる。これは許されない想いだ。







でも、いつも見ていたおまえだから...俺は辛い。

おまえを傷付ける奴が、憎い。

そして、手を差し伸べる事さえ出来ない自分が...

一番憎い。






おまえさえ望めば、この身体さえ差し出すのに。





おまえはどうして、いつも哀しい瞳で

俺達を見つめてる?

Marionette of the hell→←Frightened girl



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:VIXX , HONGBIN , ホンビン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シオン | 作成日時:2014年6月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。