義理の兄は医者でした3 (ページ47)

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SH「ど…いうこと？赤ちゃんは!?Aさんのせいって？」

自我を取り戻したソヒさんが一気にユナさんに詰め寄る。

YN「今日検査したら、…ｯハァハァハァ赤ちゃんの心拍が確認できないって言われた！お前がｯｯｯｯお前が風邪なんか私に移したからッ！」

風邪…なんのこと？
全く心当たりがなくて頭が一瞬真っ白になる。

『…あれはっ！風邪じゃなくて』

確かに咳はしていたけど、アレルギーと喘息によるものだ。決してうつるものではない。

それに風邪が原因だとは考えずらい。前後関係といった方がしっくりくる。

YN「よ…やくできた赤ちゃん…最後のチャンスだった…ｯｯｯ」

立ち上がって助けを呼ぼうにも怪我のせいなのか恐怖によるものなのか足に力が全く入らない。

YN「お前のせいで…ｯｯこのｯ人殺しが！ｯハァ」

ユナさんが右手に握ったベッドサイドランプ

『…いえ、だからっ！私じゃ…ない…』

私じゃない…？本当に？

あの時も…本当に私のせいじゃなかった？
でも私がいなかったら…ママも赤ちゃんも…？

わたしの…せい？

人殺し…？

私が…殺した？

『…ｯ…ふっ…ｳﾞｯ…ﾌ…ﾊ…ﾊｯ』

喉から込み上げてくる質量のあるもの。

＜あんたなんか産まなきゃよかった。＞

ママの声で再生される言葉。

私なんて産まれなければｯよかった？

＜お前のせいで赤ちゃんが死んだ。＞

私が殺し…たのｯ？

『ｳﾞｯ…ﾋｯ…ｯﾊｯ…ﾊｯﾊｯ…ｳﾞｯ…いｯｯｯｯ』

耳を切り裂く様なものが割れる大きな音。

その時頭に強い痛みが走る。
視界の端に星が散る。

気づいたら視界が横になっていた。

『…ｯﾋｯ…いた…っ…ﾔｯ…ﾊｯ…ｳｩｯ』

私の頭から流れる血で床が真っ赤に染まっていく。

ランプによって散らばったガラス、そして真っ赤な鮮血。

『ｲﾔｯ…しな…ないで…ママｯｯ…ごめ…なさ…ﾋｯ』

YN「絶対に…ｯ許さない！」

散らばったガラスの破片の一つを持って私に近づいてくる。

『…やめ…ｯﾋｯて！…ﾊｯｳﾞｯ…』

喉から汚い音が漏れる。

吐きそうだ。今更自分の母と重ねてパニックになりかけている自分もそんな自分を冷静に観察している自分も大嫌いだ。

『…いたっ…ﾊｯ…ｳﾞｯ…ｳﾞｴｯ…ﾊｯﾊｯﾊｯ…ﾋｯ』

必死に自分の頭を腕で覆う。

何度も腕に鋭い痛みが走る。

腕から生暖かいものが顔につたる。

YN「…ｯ会いた…かった…。赤ちゃんに…。」

私の腰に馬乗りになったユナさん。