義理の兄は医者でした3 (ページ39)

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翌朝、連日の実習でなかなか抜けない疲れで重い体を引き摺りながら階段を下る。

今日も、ユンギさんが朝、一緒に車に乗せてくれるらしく、満員電車に乗らずに済む。それだけでだいぶ心が軽いし、朝食を用意していただけるのも有難い。

今日の朝ごはんはご飯と味噌汁、昨日のあまりのおかずたちが温めてあった。健康的な朝ごはんって感じだ。

『ユンギさんはもう食べたんですか？』

昨日も思ったが、私の分は用意してあるのにユンギさんが食べているところは見なかった。

YG「俺はいいんだよ。朝からそんな食べれないわ。」

ユンギさんはソファーに腰掛け、新聞を読みながらコーヒーを啜っている。まるで一家の大黒柱のようなだ。

『医者の不養生ですよ。』

YG「体調不良で休めるような病院だったらよかったんだけどな。」

『うわぁ、ブラック〜…』

サラッとそう返されて病院の裏を見た気がした。

YG「そろそろ行くぞ。」

新聞をたたむと鞄を取りに自分の部屋まで一度戻ったユンギさん。私も待たせないように急いでご飯をかきこんだ。

ユンギさんに続いて車に乗り込んでシートベルトを閉める。助手席になるのももう慣れたもんだ。

エンジンをかけたと同時におしゃれな雰囲気の洋楽が流れ始めた。

…よく聞いてみるとなかなか熱烈なラブソングだな。月火水木金、毎時間枚分毎秒、君を愛し続けるって。いいなぁ。

いつか私にもそんな人現れるのかな。

…今の所いそうにないけど。それどころか高校以来彼氏なんていないけど。

なんとなく隣を見ると運転をしているユンギさん。

視線を感じたのかユンギさんもこちらを向いた。

3秒ほど交わる視線。

YG「…ん？」

『いや…なんでもないです。』

熱烈なラブソングを聞いてしまったからか、ユンギさんの顔を見て照れる。

Monday Tuesday Wednesday Thursday Friday
月火水木金

Seven days a week
週7日毎日

Every hour every minute every second
毎時間毎分毎秒

You know night after night
毎晩毎晩

I’ll be lovin’ you right
君を愛しているよ

追い打ちをかけるような歌詞に耳が熱くなる感覚。赤面してしまう。

YG「いい曲だろ。」

『…はい。』

火照った顔を冷やすように窓の方を見ながら返事をした。

そんな私を見たのか見ていないのか、ユンギさんは優しい顔で笑っていた。