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ユンギさんとたまにテヒョン君に見張られている私は一日中ベッドから出る必要もなく、甲斐甲斐しく世話を焼いてもらった。
午後に一度ユンギさんが待ってきた吸入をしたら呼吸音も大分改善されたようだ。
多分喘息の再発だからしっかり一度病院をかかるようにとのことらしい。それにしてもこの歳になって喘息の再発とはついてない。
何はともあれついさっき、出勤前のユンギさんから、ようやく実習許可を勝ち取ったところだ。
気分的には元気100倍。
YG「おーい、後10分で出たいんだけど、準備できてる?」
部屋の外からユンギさんの声。
『電車で行けるので先に行って下さい〜。』
まだパジャマ&すっぴん。しかもこんな早い時間に病院に行ってもあんまりやることないし…。
YG「今日雨降ってるし、あんまり歩かせたくないから頑張って支度して。」
『え、ちょっと!』
私が返事をする間もなく階段を下っていってしまう。
…マジか。
とりあえず実習に使うノートや筆箱をリュックに詰め込み、洗濯が終わったばかりの服の山から1番上のものを着る。
余った時間で申し訳程度に下地と眉毛を描いて、髪を一つにくくる。櫛を通した時に地味に頭皮がジクジクと痛んだ。
急いで下に降りると滑って一段階段を飛ばしかけ、足の裏を擦った。
朝からついていない。いや、今日はユンギさんのせいだけど。
『支度…できました。』
満身創痍でリビングのユンギさんに声をかけると、優雅にコーヒーなんて飲んじゃっている。
YG「お、意外と早かったじゃん。母さんなんて十分後って言ったのにリビングに来るの1時間後だぞ。」
まあソヨンさんはお仕事もお仕事だし、いつでも隙がない綺麗なお化粧してるし時間がかかるんだろう。
『超急ぎましたからね!女は時間がかかるんですよ。』
地味に講義すると地味に笑われた。
YG「まだ時間あるから朝飯食べれば?」
ダイニングテーブルの方を見ると、トーストとハムエッグコンポタが用意されていた。
簡単な即席朝ごはんとはいえ、自分では作るつもりがなかったため割とありがたい。美味しくいただく。
『時間大丈夫ですか?』
10分で出ると言っていた割に既にその時間を10分オーバーしている。
YG「うん。お前が食べ終わったら出るぞ。」
全く焦る様子のないユンギさんを見て、私の朝ごはんを見越して10分で支度しろなんて言ったことに気づいてむかっとしたと同時に敵わないな、と思った。
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蒼色(プロフ) - Mahoriさん» 結局作りましたー笑ありがとうございます! (11月21日 4時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
Mahori(プロフ) - 蒼色さん» まさか続きが作られているとは…!今から飛んで読みに行きます😉 (11月16日 20時) (レス) id: 242b4e213d (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - にゃんさん» 初めてのコメント、ありがとうございます。そういっていただけると嬉しいです。続き出しました☺️ (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - せいなさん» 嬉しいコメントありがとうございます!続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - 志帆さん» 続き出しました! (11月15日 13時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年9月24日 18時