24 TH side ページ25
元々俺は出来損ないだ。
俺が出来損ないだから、母さんと父さんが離婚して、父さんにも捨てられた。
暴力こそ振られなかったものの、ほぼネグレクト状態だった。その頃からだろうか、嫌に人の顔色を窺うようになったのは。
父親が蒸発したあと、優しいソヨンさんとユンギヒョンに引き取られたけどやっぱりそこに馴染むのも難しかった。
俺がキムテヒョンからミンテヒョンになったのは、小学校高学年の頃。小さいながらに自分の顔の良さを分かっていたから、今度は捨てられないように新しい家ではとにかくいい子にしていようと、毎日笑顔を絶やさずに生活していた。
でも所詮他人、ユンギヒョンにとっては俺の存在は邪魔だったのかもしれない。必要最低限の会話しかしてこなかった。
YG「お前その笑い方、気持ち悪いから無理やり笑わなくていいよ。泣きたいなら泣いた方がまだマシだろ。」
その頃もう高校生で、勉強も運動もできるユンギヒョンに憧れを抱いていた俺は、ふと吐かれたその言葉にすごく傷ついた。
そして気づく。俺はいい子じゃない。出来損ないなんだから笑顔を作ったところで意味がないと。
当時の担任からも友だちからも、お兄ちゃんはあんなにできるのに、何で俺はできないんだと比べられた。何でも何も血が繋がっていないのだから仕方ない。俺がユンギヒョンと繋がっているところなんて戸籍上の苗字だけだ。
中学に入ってからは、悪めの友達とつるんで、まだ10代前半なのにも関わらずいろんなことを経験した。
よくソヨンさんは学校から呼び出されていて迷惑だっただろうに
「テヒョンはおてんばなのね。いいのよ、そうやって男の子は学んで強くなるんだから。」
なんて迎えの車の中で呑気に話していた。思えばその時には3人目の父親をむかえたころで、とことん男運のないソヨンさんは俺の父親を含めたいわゆるダメ男を知っているのだろう。謎に説得力があった。
YG「お前もしょうもない奴だな笑り」
その時初めてユンギヒョンは俺に向かって笑った。しょうもないやつだって思っているだけだとしても、自分のことを見てくれていた。
ついに不良への道を歩み始め、高校に入り、またここでも不良生徒たちと絡む。
この辺で1番優秀な学校に進んだユンギヒョンと違い俺はこの辺で1番バカな学校に進んだ。
もうこの時には、俺が何をしてもユンギヒョンは驚くことなく、呆れた顔で笑ってくれることも無くなった。
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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時