唯一無二の貴方。2【キングダム】

喧嘩の後は。2 ページ23

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「目を逸らしてんじゃねェ」

「だ、だってその…桓騎様裸ですし…。」

「お前だって同じじゃねェか」


身につけている服を脱いだものの、シーツで自分の体を覆ったままのAに、若干の苛立ち。さっきから何かにつけて事に及ぶのを避けようとしているからだ。

普段なら強引に抱くことも、A相手ならそれも出来ないから不思議だ。

心底惚れてるから今まで抱けなかったと、口にしたらどんな反応をするのか興味はあるが、それを伝えるのも癪に触る。欲しいモノは力ずくで奪い、極悪非道の行いをしているこの俺が、一人の女に執着するとは。


「いつまでそうしてるつもりだ？」

「それは…、」

「お前は俺に身を任せとけばいいんだよ。初めての奴にああしろこうしろと俺も催促なんかしねェ」

「そうですけど…。それはつまり初めてではなければ、桓騎様は私にどんなことさせるつもりですか？」

「そうだな。ここで明かしてもいいが、お前にそれを聞く勇気があればの話だが…。」


耳元で囁く俺の言葉に、ビクッと体を強ばらせたAは、いいですと首を横に振った。

カラかいがいがあるのは面白いが、そろそろ事に及びたい。

何時までも待たされていたんじゃ…。

まぁ、Aの一言がなければ未だにお預けになってただろうが。


「あの桓騎様、どうしてその…私だけ生かしてくれたんですか。桓騎軍は皆殺しも辞さない軍だと聞きました」

「あの時俺がお前を見捨ていたら、身寄りのないお前の結末はヤローどもの玩具にされていただろう」

「そうかもしれません…。でも、本当にそれだけですか？」

「他に理由があると？」

「もしかしたら……桓騎様は私の事を――」


余計な詮索をする唇を、これ以上俺の心を探らないように自分の唇で塞いだ。優しくなんて芸当は無理で、初めてにして乱暴にAの唇をこじ開け舌を絡ませる。当然俺の行為に息もまともに出来ないAは顔を背けようとするが、動くなと顎を掴んで拘束した。

抵抗していたAも何度も口付けを交わすうちに、呼吸の仕方を覚え、時々自分から舌を絡ませてくる。

ほんとに、厄介な女。

お前だけ連れて来たのは、俺がお前に惚れたからと告げる日が来るのも、そう遠くねェかもな。

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