46.中華統一の最初の王。 ページ46
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「やれ」
王の命で捕らえられた信の首目掛けて剣が振りかざされる。
「信っ…！」
後先考えず信の元へと駆け寄ろうとする私の肩をバジオウさんが掴んだ。
「ココデ見テイロ」
「でもっ！」
「そんなことをする必要はない。俺はすでにその痛みを十分に知っている」
「政…。」
憎しみにかられ王が剣を取るなら、怨嗟の渦に国は滅ぶ。王なら人を生かす道を拓くために剣を取るべきだ。秦人、山の民と分けるから摩擦が起こる。それは中華でも同じ。平地の民同士領地を奪い合う殺しを今なお永々と続けている。自国を守るため、それぞれが国境に長い防壁を築かせ敵味方と明確に分断させた。
穆公のような列国の盟主となる王は稀だ。一時の安定をもたらしただけ。
ならば、全国境を廃除する。
国境というもので国を分けるから、平地の民同士で争いが起きる。五百年続いたならば、この先の五百年も続くかもしれない。自分が剣をとるのは、これからの五百年の争乱の犠牲をなくすため。異母弟に奪われた玉座を奪還するのも、その路の第一歩に過ぎない。
「お前の路？お前の路って一体なんだっ！？」
静まり返った部屋に信の声が響く。
「俺は中華を統一する最初の王になる。その協力を得に山の王に会いに来た」
強い眼差し、敵中にありながらも政は恐れることなく山の王に自分の思いを告げた。
誰に笑われても構わない。自分の進む夢が端から茨の路だとわかっている。今は何の力もない弱王。中華統一を空虚な世迷事に終わらせないよう、四百年前の秦と三界の盟を復活させる。
「なんかさっきから難しい話しばっかしてっけどさ。簡単に言うと、こいつ今困ってんだよ！人助けと思って力貸してやれよ！なっ？」
信らしい言葉。
信だから出来ること。
長年の恨み、無念だと言い合っていても埒があかない。
「だいたい一番の無念は夢見てたものが、幻に終わったってことだろうが！！本気で死んだ奴らの事を想うなら、奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ！！」
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
