4日目-10- ページ37
1人で勝手に納得していると、一郎くんと何事かを罵りあっていた左馬刻さんが急に叫んだ。
「だあっ、埒が明かねぇ!
A、このクソザコにはっきり言ってやれ。
お前のことなんか好きじゃねえ、ってなあ!」
「え、ええ……?」
左馬刻さんの迫力に気圧されていると、一郎くんは珍しく冷静さを欠いた様子で反駁した。
「なっ…!…にを、言ってんだこの野郎!!好きとか嫌いとか、そんな話してねぇだろ!!」
再び睨み合う、左馬刻さんと一郎くん。
2人がどうしてここまで啀み合うのか私は知らないが、いい加減黙って見ているわけにもいかない。
「も、もう、このぐらいにしませんか…?」
「黙ってろ」
左馬刻さんに遮られ、不甲斐ない私は「ヒッ」と小さく悲鳴を上げて黙ってしまう。
そんな反応をしたからか、また一郎くんが左馬刻さんに食ってかかった。
「Aさんを怯えさせんじゃねぇよ!
……つか、お前はAさんの何なんだよ。
Aさんはお前の、何なんだよ……っ!!」
一郎くんの声は、かすかに震えていた。
はっとして見つめると、一郎くんは唇を噛み締めて俯いている。
対する左馬刻さんは、何も答えない。
その時、ヒュルルルルッと音を立てながら昇っていく何かが、遠くの空に見えた。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時