3日目-9- ページ26
何秒、いや、何分経ったかなんて分からない。
私は完全に酸欠状態で、危うく意識を手放しかけた。
もうムリ、だめ、しんじゃう。
そう思った時、ようやく左馬刻さんの唇が離れた。
「ぷはぁ!はっ、は……はぁ………」
「ふ、はぁっ……」
2人とも激しい運動をした後のように息切れしていて、酸素を必死に吸い込む。
やがて左馬刻さんは親指で自分の唇の端の唾液を拭い、同じように、私の唇にかすかに滲んだ血を拭って、満足そうにそれを見つめてから、ゆっくり舐めとった。
「……これで分かっただろ、俺の気持ち。
俺以外の奴と遊ぶなんて絶対許さねぇ……
俺はもう、お前に______
______惚れちまってんだから」
「え……」
ぽかんとしている私を、左馬刻さんは思いっ切り抱き締めた。
「もう二度と、勝手にどっか行くなよ……」
低いその呟きは、かすかに震えていた。
「あ…っ、う、あぁ……!」
形容しがたい感情に苛まれて、私の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時