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3日目-4- ページ21

ふと顔を上げると、いつの間にかお兄ちゃんは、静かに、静かに泣いていた。




「……っ、A、ごめん……!」



お兄ちゃんは私を強く抱き締めた。

背中に回された腕が、私の服を強く握る。




「そんな風に思わせてたなんて、知らなかった___




俺っち、独歩のことは大切だけど、だからってAが大切じゃないわけない。

2人とも、俺っちの大好きで大切な人だよ___だから、そんな事…思わないで。




もっと、俺っちのこと、頼ってよ……」


耳元で、低く押し殺したような声で呟くお兄ちゃん。

誰よりも優しいお兄ちゃんが、そう言ってくれるのは分かっていた。




だからこそ、甘えていられない。

私は微笑んで、お兄ちゃんの髪を撫でた。



「ありがとう___




でも、もういいの。これはずっと前から決めてたことだから。

それにね、今は_____





一緒にいてくれる人が、いるから。
寂しくないんだよ」



お兄ちゃんは私から体を離すと、不思議そうな顔で私を見つめた。



「なに、カレシとかいたの??そんなの聞いたことないけど」

私は首を振り、黙って笑った。





一緒にいてくれる、怖くて優しい、ヤクザさんがいるから___なんて、そんな事言ったらお兄ちゃんは心配するから黙っておこうと思った。



…最も、そのヤクザさんは今日は来てくれないみたいだけど。




お兄ちゃんは自分で勝手にどうにか解釈したらしく、うんうんと頷いた。


「___そうだよな、うん。

大事な人が、いるんだな。ちょっとだけ安心したよ。




でも、俺っち、このままはいそうですか、なんて帰れないし……なあ、A_____……






俺っちと、デートしよう!」




「…え?」

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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時

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