3日目 ページ18
ジリリリリリリリリ…
無機質で規則的な目覚まし時計の音。
私は緩慢な動きでベッドから這い出し、目覚まし時計を叩く。
辺りはすぐに静かになった。
「何時、いま………」
寝ぼけまなこで時計を見ると、朝の8:00ぴったり。
「……昨日どうやって帰って来たんだっけ」
覚醒しきらない頭で、昨日の出来事を必死に思い返そうとする。
レストランで昼食を食べて、色んな乗り物に乗って、日が暮れてからまたレストランで夕食を食べて____
「…寝ちゃったんだ、私」
子供のようにはしゃいで遊び回った私は、レストランで急激な睡魔に襲われた。
左馬刻さんには「眠いなら寝ろ」と言われたが、私はうつらうつらとしながら、「まだ乗ってないのあるから…寝ません……」と言いつつ、結局眠ってしまったのだ。
1度だけ、ぼんやりと目を覚ました記憶がある。
テーマパークを出てすぐのところで、私は誰かにお姫様抱っこをされていた。
暖かくて強くて大きな手が、私の肩を優しく包んでいた。
すぐにまた眠ってしまい、誰が私を送り届けてくれたのか分からないが、きっと左馬刻さんが私を車まで運んで、家まで乗せてきてくれたのだろう。
そして私の荷物から鍵を探し出して、ちゃんとベッドに寝かせてくれた。
面倒をかけっぱなしなのに文句も言わずこういう事をしてくれる左馬刻さんの優しさに、胸がきゅうっとなった。
今日はちゃんとお礼をしなくちゃいけない。
「……そういえば、今日は来ないのかな」
昨日は7:30に迎えに来たのに、今日は左馬刻さんが来る気配は全くない。
まあ、毎日来なきゃいけないわけじゃないし…と自分に言い訳をしてみるが、やはり来てくれることを期待してしまう。
その時、
ピンポーン、ピンポーン
インターフォンの軽快な音が、玄関で鳴った。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時