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2日目-3- ページ14

「あのっ、左馬刻さん、もう私に付き合っていただかなくても結構なので……!」

「は?何言ってんだオマエ」


先に乗り込んでいた左馬刻さんは怪訝そうに言った。




「いえ、ですから…これ以上左馬刻さんのお時間を取るのはちょっと……」


遠回しに伝えるが、左馬刻さんは私が何を考えているのか分かってしまったらしい。



「…アホ、呼び出しといて今更迷惑かもとか考えてんじゃねぇ。こっちだって腹括ってらァ。いーから乗れっつんだよ」


左馬刻さんは勢いよく私の手を引いた。



「うわっ……!?」


私は座っていた左馬刻さんの太ももに倒れ込む。

ドアが閉められ、車はすぐに発車した。



慌てて起き上がろうとしたが、左馬刻さんに頭を押さえつけられて起き上がれなかった。

意図が分からず戸惑ったまま左馬刻さんの太ももに突っ伏していると、頭上から小さな声が降ってきた。




「昨日は、悪かったな」


左馬刻さんの手の力が緩んだ。

「え………?」


見上げると、左馬刻さんは少しだけ赤らめた顔を真っ直ぐ、私に向けていた。


さらりと優しく私の髪を撫で、耳にかけた。




「ちょっと見くびってたかもな、お前のこと」


「左馬刻さん………」




そんな切なそうな顔、ずるい。

私は何も言えなくて、黙って左馬刻さんを見上げていた。



すると突然、左馬刻さんが私の頬を両手で押しつぶした。


「むぇ……っ!?」



口から空気が抜けて、変な声が出てしまう。

恥ずかしくて、今度は私の顔が赤くなってしまった。




「ふっ……!変なツラ、ハハハハハハ!」

左馬刻さんは、昨日みたいに笑い始めた。



「もう……っ!……ふふふ…」


私は怒りたかったのに、屈託のない笑顔を見て、一緒に笑ってしまった。




もう左馬刻さんの瞳に、悲しさはない。



一緒にいてもらっても、いいのかな。最期まで、付き添ってもらっても、





_____いいのかな。



2人の笑い声が響く車内は、温かくて、涙が出そうなほど、幸せだった。

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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります!完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年5月20日 17時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です!ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます! (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー!さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります! (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー! - おぁぁぁあ!!!!!凄い好み!この小説!!!更新頑張ってぇぇ!! (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:矢野いと | 作成日時:2019年4月9日 12時

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