雪は雲とともに【3】 (ページ34)

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第94話ページ34

『図に乗るなよ、ガキ！オレの剣の真の力を思い知れ!!』

―――ブワァッ

ロン毛さんが左右に剣を振ると水が抉られていく。なんていう剣圧。

『鮫特攻(スコントロ・ディ・スクアーロ)。まさかここで剣帝を倒したスクアーロの奥義が見られるとは』

なんかさっきからプニプニほっぺさんが解説役になってる気がする。こちらとしては有難いんだけどね。

『いくぜ』

水壁を自身の前に作ったまま突っ込んでくるロン毛さん。しかし、ロン毛さんの剣は山本くんには当たらず、ピシャッと水を切っただけだった。

『時雨蒼燕流攻式九の型』

ロン毛さんはスピードそのままに方向転換して、山本くんに反応する。

ブシュッと衝撃で山本くんが切れ、沢田くん側から心配の声があがる。

『とどめだぁ』

飛ばされた山本くんに向かって、再度ロン毛さんが突っ込む。

が、ロン毛さんの背後に振りかぶる山本くんの姿が。

『だがオレの剣に、死角はない!!』

「……義手？」

カチンと、手首が変な方向に曲がり山本くんに刺さる。が、それは水面に映った影だった。

《うつし雨》

最上段で構えた山本くんは峰打ちでロン毛さんの脳天を叩いた。そのまま刀でロン毛さんのリングを取った。

『勝ったぜ』

完成させたリングを持ち、カメラに向かって微笑む山本くん。沢田くんたちからは喜びの声があがる。

一方、暗殺部隊側ではボスさんが大笑いしていた。てか、どっから持ってきたのその豪華な椅子。

『用済みだ』

『お待ちください。只今アクアリオンに獰猛な海洋生物が放たれました』

『!!』

あらまあ。パソコンを操作し見えたデカイ鮫。今回防水のカメラ用意しておいて良かった。

それにチラチラ映る影もあるし、これは何かあるかもだし。

………ちょっと細工させてもらうよー。

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