雪は雲とともに【3】 (ページ26)

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第86話ページ26

明日は雨戦か。お願いだから校舎壊さないで、と思いながら眠りについた。

……はずだった。

「またか」

夢のようで夢ではない世界に僕は今日も立っていた。

ネーヴェか？骸か？来るなら早く来て用件を言え。と、思いながら大樹の側に腰を下ろす。しかし、

『やっと見つけたのだよ!!』

「…………どちら様で？」

現れたのは僕が予想していた2人のどちらでもなく、なんか変な格好をしたおじさん？だった。

ヘルメットっぽいのを被っていたので軍人かとも思ったものの、着ている服は至って普通の洋服だったので違うのだろう。

『私の名前はチェッカーフェイス』

「はぁ」

『今日は君に渡したいモノがあって来たのだよ！』

このチェック柄のおじさん。話し方や雰囲気がシューゲル技士(マッドサイエンティスト)みたいで、うぜぇ。

僕あのマッドサイエンティスト(クソヤロウ)嫌いなんだよねー。確かに技術だけは凄いんだけど、技術だけは。

『これを君に受け取って欲しい』

「…………………。」

おじさんがどこからともなく出してきたのは、真っ白なおしゃぶりだった。

『どうしたのかね？』

「………すみません、そういう趣味はちょっと………」

『なっ!?ち、違うのだよ!!』

えぇ。軽い冗談ですよ。なんたって、このおしゃぶり。形があのハイスペックベイビーの持ってるものと同じなんだよ。受け取りたい訳がない。

なんかあたふたと大げさな身振りで弁明しているが、そんな怪しいものノーサンキューだよ。

『君は世にも珍しい雪の波動を持っているのだよ！だから、このおしゃぶりは君にしか預けられないのだよ』

「いりません」

『そう言わずに頼むよ』

しまいには土下座しだしたおじさん。だがしかし。そう簡単に受けとる僕じゃないよ。ﾌﾌﾌ。

だって、あのハイスペックベイビーたちと同じモノだよ？絶対になんかあるじゃん。

……例えば、赤ん坊になったりとか、ね。

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