雪は雲とともに【3】 (ページ3)

今日:18 hit、昨日:8 hit、合計:50,416 hit

第63話ページ3

―――キンっ

―――キキンっ！

「うお゛ぉい！やるじゃねぇかぁ!!」

「そりゃどーもっ！」

あんたに誉められてもうれしかねーよ、と思いながら使い慣れない獲物で攻撃を受け流す。

やはり、力では勝てないようで徐々に圧されているのが分かる。……片手さえあけばなぁ。

相手の隙を伺うも、止むことのない攻撃の嵐で不可能である。チッ、うぜー。

「考え事とは余裕だなぁ!!」

「っ、……しまっ!?」

「死ね゛ぇ!!」

切られる。そう覚悟し身構えるが、一向にロン毛のロングソードが降りおろされることはなかった。

なぜなら、

「復活(リ・ボーン)！ロン毛ぇ！死ぬ気でお前を倒す!!」

死ぬ気モードとなった沢田くんがロン毛の手首を握っていたからだ。

ロン毛は何かに驚いていたようだが、直ぐ様反撃していた。

ロン毛の意識が沢田くんにいってる間に安全な場所に避難し息を整える。かすり傷多数だが、それほど大きな怪我がないことに安心し、彼らの様子を伺う。

あのロン毛ホントに何者？てか、これ以上被害広めないでくれ!!

なんて願いも虚しく、拡大する並盛商店街の被害。うん、ロン毛。君に請求することにするよ。

爆発音とともに見えなくなった沢田くんを探すロン毛。

「……やべーな」

「おい、ハイスペックベイビー。あのロン毛なに？」

いつの間にか僕が隠れている自販機の上にいたハイスペックベイビー。……なぜに植木？寒くないの？

「あいつはとある暗殺部隊のメンバーだぞ」

「マジか!?……ちなみに、名前と住所を知ってる？」

「それを聞いてどーするつもりだ？」

「もちろん、今回の被害総額を丸っと全部請求する！」

「…………。オメー、状況わかってんのか？」

ふっ。もちろんわかっているとも。しかし、今回の被害総額を風紀委員と生徒会(ぼくたち)で補うのはムリだ。絶対にムーリーだ。だから元凶のロン毛に払って貰うしかあるまい？

その事を伝えると何故か盛大なため息を疲れた。……解せぬ。

.