雪は雲とともに【3】 (ページ20)

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第80話ページ20

日中、陽葵の仕事は草壁に押し付け、調査に出かけた2人を見送り。放課後、黒曜ランドにて、昨日勝手に校内に入ったことを叱り。

夜、いつものように生徒会室にて。

昨日壊れたカメラを業者に付け替えさせて本日も優雅に観戦。……出来たらいいな。

だって今日のフィールド、室内なんだよ。あり得なくない？壊す気満載じゃん。

あー。と唸っていると試合開始30秒前。獄寺くんは未だ現れず。

残り1秒を刻んだ瞬間にチェルベッロが示した時計が爆発した。

『お待たせしました、10代目!!獄寺隼人、いけます！』

格好つけて現れた彼は準備に戸惑って遅れたらしい。……5分前行動くらい出来ないのか、この無能は。

なんて言ってる間にチェルベッロによるフィールド説明が始まっていた。

フィールドは校舎の3階すべて、と言ってるが実際は生徒会室と応接室、及びその2部屋に被害が及ぶと思われる場所は除外させた。

放課後ハリケーンタービンと呼ばれる装置を設置してるチェルベッロの人に生徒会長権限で無理やり押し通した。……被害総額請求の3割引のおかげともいう。

予想に反してチェルさんたちの財政はキツイらしい。何故か意気投合し、観戦していたことも黙認してくれることとなった。

閑話休題

今回は雷戦の時みたいに妨害行為が行われないようフィールドと観覧席は赤外線式のレーザーを用意されていた。

しかし、ちゃんと試合観戦出来るように各部屋にカメラ(僕が用意した)でモニターと中継がとれるようにしてある。

ん？暗殺部隊の前髪さんが獄寺くんに近寄って、ポンと肩に手をおいていた。どうやらリラックスしろ、というらしい。

『それでは嵐のリング、ベルフェゴールvs獄寺隼人

―――勝負開始』

先手は獄寺くん。様子見なのか、導火線の短いダイナマイトを投げつける。が、

『な!?』

爆発をモノともせず、獄寺くんを中心に輪を描くように無数のナイフが浮かんでいた。おー。すげー。

獄寺くんが反撃として、通常の3倍のダイナマイトを投げたのだが。……避けない？

前髪さんはそのまま歩を進めた。すると、

―――バリーッン！

丁度よく発動したハリケーンタービンの風で、ダイナマイトだけが吹き飛ばされたのだった。

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