雪は雲とともに【3】 (ページ19)

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第79話ページ19

「…………。」

死ぬ気モードなのは額の炎で分かるが、以前見た荒々しい雰囲気とはまた違う沢田くんに疑問が残る。

『……いくら大事だって言われても、ボンゴレリングだとか……、時期ボスの座だとか……

―――そんなもののために、オレは戦えない』

『『!!』』

「へぇ」

『でも友達が……、仲間が傷つくのは、イヤなんだ!!』

クスリ。……やはり君は、面白いね。

モニターに映る彼らも沢田くんの決意に何かを感じ取ったらしい。……てか、あの作業着のおじさんだれ？

『ほざくな』

―――ドッ！

突然の乱入者に吹き飛ばされた沢田くん。別のカメラに映るその人は、いつか見た暗殺部隊のボスさん、

『XANXUS!!』

彼の鋭い視線に怯む沢田くんだったが、ぐっと唇を噛み締めると、なんと睨み返したよ。すごいすごい。

しかし、ボスさんは不服なようです。先ほどよりも高まる彼の威圧感に負けることなく、沢田くんは自分の意思を告げる。

『オレはただ！この戦いで、仲間を誰1人失いたくないんだ!!』

『！そうか、てめぇ』

なんだろう、ボスさんの手に熱が集まってる？しかし、それは沢田くんに向けられることはなく、止めに入ったチェルベッロのお姉さんに向けられた。

愉しそうに嗤うボスさん。……すごいレアらしい。

そして、彼は9代目の息子らしい。9代目をオヤジって言ったから、だけど。けど、自分の親を老いぼれと表現するのはどうかと思うよ。……本人見たことないから判断出来ないけど。

さて、今回の雷戦は暗殺部隊側の勝利となった。序でに、勝負を妨害したとかで沢田くんの持つリングも向こうのモノとなってしまった。おー。

『XANXUS!!貴様!!9代目に何をした!!』

作業着のおじさんは門外顧問という役職らしい。そして、ボスさんは9代目に何かしたらしい。……これにも、嫌な予感がするね。

門外顧問のおじさんも調査すると思うけど、僕の方でも祭莉と陽葵に調査させよう。

……自信満々なボスさんの様子が引っかかるし。

『―――明日の対戦は、嵐の守護者の対決です』

暗殺部隊とチェルベッロが去り、沢田くんたちは牛のところに駆け出す。

それより、なんであんたら居るの？カメラの端に映る見覚えのあるシルエットにため息しか出ない僕なのであった。

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