雪は雲とともに【3】 (ページ17)

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第77話ページ17

――翌日

天候はあいにくの雨で、雷まで轟く始末。

しかも戦場(バトルフィールド)は屋上。チェルベッロ曰く、エレットゥリコ・サーキット。

フィールド内に張り巡らされた特殊な導体により、避雷針に落ちた電流が増幅し駆け巡る仕組みらしい。

わざわざ対戦ごとにフィールドを設けるとは、チェルベッロの資金はかなり潤沢とみた。羨ましい限りである。

そして今回も僕は生徒会室での観戦。屋上にもカメラは設置済みなのである。

ちなみに、クロームたちは修行のため黒曜ランドにお留守番。のんびり観戦なんてしてる暇は今の彼女には無いからね。

さて。今回の雷の守護者は暗殺部隊からは2時間前からスタンバってた口ピアスのおっさん。対する沢田くん側の守護者は、

「5歳の牛、か」

この世界で初めてと言っていいほど不条理と感じた瞬間だった。

沢田くんが珍しく真剣に牛に話していた。嫌なら行かなくていい。チビが戦うのはおかしいし、死にたくないだろ、と。

しかし、さすがアホの子。牛は彼の心配を余所にフィールド内に踏み込む。

『それでは、雷のリング。レヴィ・ア・タンvsランボ

ーー勝負開始』

遂に始まったが、開始直後に落ちた雷なりにより焼けた牛。おーのー。さすがにヤバかったか、と思った。が、

『うわぁああ!!いだいぃ～!!』

なんと生きていたよ。電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)と呼ばれる体質変異のおかげらしい。

しかし、それが仇となった。おっさんが牛に嫉妬し、牛をいたぶり始めたのだ。

避けることも出来ない牛は泣きながら、10年バズーカを取り出した。その手があったか。

タイミング的に、おっさんの攻撃と10年バズーカの被弾が重なり、10年バズーカは飛ばされたものの大人ランボさんの召喚には成功したらしい。

最後の晩餐として餃子を食べていたが、

『オレはやる時はやる男ですよ』

と、争奪戦に参加。したものの、敵の電気傘により負傷。10年経っても性分は治らなかったらしく泣き始めた。おい。

敵の追撃により、さらに吹き飛ばされた彼が掴んだのは、牛が置いていった10年バズーカ。大人ランボさんはそのまま被弾し、現れたのは。

『20年後のランボ!!!?』

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