雪は雲とともに【3】 (ページ14)

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第74話ページ14

「………この程度か」

クロームの武器は六道くんの使っていた三叉槍だった。

とりあえず、どの程度使えるのか試してみたのだが。

「ﾊｧ、……ﾊｧ」

「お前、強すぎだびょん」

「………。」

正直言おう。つまらなかった。クロームは体力ないから休憩させている間に、城島くんと柿本くんの実力も調べることにした。

城島くんは体力はあるものの、攻撃が直線的過ぎて予想しやすい。《～チャンネル》という動物の能力を使い別けるのはいい線だと思うが、頼りすぎて手の内をさらけすぎである。

切り札となるものはなるべく取っておくように伝え、脳も鍛えることも勧めた。

次に柿本くんは、接近戦に弱い。《ヘッジホッグ》は中距離戦用の武器であるため、懐に入られた時に対処できない。あと、体力も少ないため長期戦だと負ける。

なので、毎日のランニングと筋トレを言い渡した。

「クロームは先に幻術鍛えよう」

「………うん」

君の体力作りは体重を標準に戻してからにするよ。うん。

幻術については、僕も六道くんのしか知らないため的確なアドバイスはできないが、とりあえず幻術を作るスピードとリアリティーを追及することにした。

火柱や氷、花など様々な形のモノを生み出し、次々変形させる訓練を行った。

たまに、クロームと城島くん、柿本くんで実戦をさせたり、3人対僕というのもやった。なかなか楽しかった。

そんな日々が続いたある日の帰り道。

「同じ種類のリングを持つ者同士の1対1のガチンコ勝負(バトル)だ」

並盛に入ってすぐのY字路で対面している沢田くんとその仲間たちと、例の暗殺部隊を見つけた。

どーして僕はこうもタイミングが悪いんだろうか。

見つからないように気配をたち、話だけは聞こうと隠れる。

すると、突然出てきた双子のような女性たち。

「――――そこで、真にリングにふさわしいのはどちらなのか、命をかけて証明してもらいます。

場所は深夜の並盛中学校。詳しくは追って説明いたします。

それでは明晩11時、並盛中でお待ちしております」

それだけ伝え去っていくチェルベッロという奴ら。……おい、誰が並中でやってもいいなんて許可したんだよ。

明日はまずその許可証探しから始めようと決めた。

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